リーダーに大切な「自分の軸」をつくる言葉
(かんき出版/田口佳史)
技術が次から次へと革新し、市場は刻一刻と変化しています。
“今”は激動期であり、転換期。この本には、難しい時代を生きる企業の先導者、
リーダーとして不可欠な要素が3つあると記されています。
1. 何が起きても、まず常に沈着冷静が保てること
2. 次に泰然自若として、大所高所から全体をしっかり見つめられること
3. さらに、沈思黙考、深慮遠謀、最良の策を瞬時に考え決断し、指示が出せること
そして、そのすべてのベースとなるのが、『ぶれない心』です。
優れたリーダーとは何か?との自問自答を粘り強く繰り返し、
深く求めながら自己鍛錬に励むことが大切なのです。
その自己鍛錬において、ヒントと勇気を与えてくれるのが、
長い年月をかけても失せることなく脈々と語り継がれ、読み継がれてきた『古典』です。
この本は、「論語」「孫子」「言志四録」「西郷南州翁遺訓」等の中から、
現代でも有益と思われる言葉を厳選し、読み易くしてあります。
リーダーとして「自分の軸」をつくり、周囲を愛し、逆境に打ち克ち、
物事の本質を掴む力を身につけるために、ぜひ手に取っていただきたい本です。
最後に、本文の中から孔子の教えとして、ふだんの言動において意識し、
実践して習慣化することが大切だとする『九思』の心構えについて記します。
一つ、物事や人物を見るときは、一点の曇りもない目で見極めなさい。
一つ、人の話を聞くときは、心ここにあらず、というのではいけない。
一心に耳を傾けなさい。
一つ、不愉快なこと、イヤなことがあるときも、つも穏やかな表情で
いることを心がけなさい。負の感情を表に出してはいけない。
一つ、人に接するときは、常に謙虚に、敬意をもって対しなさい。
一つ、意見を求められたときは、考えが偏っていないかをチェックし、
公正な判断の下に発言しなさい。
一つ、仕事をするときは、軽はずみに判断をせず、慎重に事を進めなさい。
一つ、わからないことがあるときは、知ったかぶりをしないで人に尋ねなさい。
一つ、怒りがこみあげてきたときは、その怒りのままに行動するころを慎みなさい。
怒っも人の怨みを買うだけです。
一つ、正当な理由なく全品を差し出されたとき、受け取ることを拒みなさい。
道理を踏んだ行動の結果としての全品かどうかを、
きちんと見極めなければいけない。
皆さん、自らを省みる時間として、ぜひこの本をご活用ください。
にのみ屋