『覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰』
(編訳:池田貴将)サンクチュアリ出版
853年、ペリーが黒船を連れて日本へやってきました。
兵法の専門家であった松陰は、「どうやって西洋を倒そうか」虎視眈々と作戦を立てていました。
しかし、実際に黒船の大砲を目にすると、「これは勝てない」、いくら敵意を燃やしても、日本を守ることは出来ないのだから、むしろ外国のやり方を学んだほうがいい、と逆の発想をするようになりました。
当時の日本は鎖国であり海外渡航などすれば、もちろん死刑という時代でした。
そんな時代にありながらも、翌年、再び黒船やってくると、「日本にとって何が一番大切なのか」を考え、小舟を盗むと荒波の中を漕ぎ出し、そのまま黒船の甲板に乗り込み、
「今ここで海を渡ることが禁じられているのは、たかだか江戸の250年の常識に過ぎない。今回の事件は、日本の今後3000年の歴史にかかわることだ。くだらない常識に縛られ、日本が沈むのを傍観することは我慢ならなかった」
と、言葉を残しています。
吉田松陰のこの行動が、後の明治維新という大きな波を生むことに繋がったのは間違いないでしょう。
松陰は、教育者でもあり「いかに生きるかという志さえ立たせることができれば、人生そのものが学問に変わり、あとは勝手に学んでくれる」と信じていました。
教える者の生き方が学ぶ者を感化し、はじめてその成果が得られるとする松陰の姿勢が、松下村塾にて教えたわずか2年半の間に、日本を変える多くの人財を生み出し、今に至る豊かな近代国家を創り上げました。
本当に後悔しない生き方とは何なのか。松陰のシンプルでいて力強い教えが詰まった一冊です。
この本を読むことで、自らの命の使い方をじっくりと考える時間が生まれます。
1項目ごとに現代訳で書かれていて大変読みやすく、それでいて深い思考が求められる本です。
ぜひ手にとってみてください。
『歳月は齢と共にすたるれど 崩れぬものは大和魂』
にのみ屋