今月の「この一冊!」 ~『上杉鷹山』 童門冬二著~

私がお奨めする 「この一冊!」は、童門冬二著の

「上杉鷹山(上・下)」(人物文庫)です(上・下で2冊ですが・・・)!

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上杉鷹山は、江戸時代中期に活躍した第9代米沢藩主であり、後年、
内村鑑三の著書である「代表的日本人」の中で、西郷隆盛、二宮尊徳、
中江藤樹、日蓮と並ぶその一人として、世界へ紹介されました。
かの第35代アメリカ大統領ジョン・F・ケネディも、
「尊敬する日本人」としてその名をあげております。

鷹山はもともと上杉家の人ではなく、九州の日向高鍋の秋月という
3万石の小大名の家に生まれました。縁があって上杉家の養子に入り、
17歳の時に家督を継ぎました。時の米沢藩は、
収入の90パーセント以上を藩士の給与が占めていて、
どうにもならないほどに財政が逼迫していました。

そうした中、財政改革に乗り出した鷹山は、
「経営改革の目的は、領民を富ませるためである」と明言し、
「愛と信頼」をもって行い、人づくり無くして改革は成功しないと、
強い意志をもって改革を進め、やがてこの改革を成し遂げました。「なせば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」

これは、上杉鷹山が残した言葉です。
人が何かを為し遂げようという意志を持って行動すれば、
何事も達成に向かうものであり、ただ待っていて、
何も行動を起こさなければ良い結果には結びつかない。
結果が得られないのは、人が為し遂げる意志を持って行動しないからである。
という意味です。

混迷が続く「現代」だからこそ、改めて、上杉鷹山について学んでみては
いかがでしょうか?

最後にリーダーを目指す人、あるいは既にリーダーとして活躍している皆様に、

「上杉鷹山公の行った経営改革は、赤字を消しただけではない。
人間の心の赤字を消したことだ。
人々の胸に、もう一度他人への愛、信頼という黒字が戻ったのだ」

という、米沢の人々の言葉を送ります。

 

にのみや