覚悟。
大辞林で意味を調べると、
「危険な状態や好ましくない結果を予想し、それに対応できるよう心構えをすること」
とあります。
また、悟りを開くこと、知ること、覚えること、観念すること、あきらめること、
の意味もあるようです。
この書籍は、その「覚悟」を決め、やり抜いてきた著者が、
人を変え、会社を変え、人生を変え、大きな目標を成し遂げた仕事哲学が凝縮しています。
著者の松井忠三(まついただみつ)氏は、元株式会社良品計画会長。
5月10日出版の本書にある著者略歴には現在の会長とありますが、
2015年5月20日の株主総会にて会長職をご退任されております。
本人曰く1991年に西友から「なかば左遷のようなかたちで出向した」そうです。
良品計画は1980年に西友が1980年にPBとしてスタートしたもので、
1990年に営業権を譲り受け独立したちょうどその頃です。
ちなみに西友は旧西武グループ会社でしたが、2005年に米ウォルマートの子会社となりました。
大株主にクレディセゾンやファミリーマートがいるのが名残りでしょうか。
本書はご退任も決まっている中で書かれたものだと察しますが、
脇目もふらずに進めた経営改革により、良品計画は「無印良品」の名のもと、
皆さんご存知の通りのV字回復を達成し、
今では海外での売上比率が本国を圧倒しているほど順調です。
印象に残った項目がいくつかありましたが、
ひとつは、「自分が思いつく中で、できるだけ高い目標を立てる」ということです。
高い目標を立てることで必死になり、全力を傾けるとこが出来ると。
もうひとつは「反対意見が出ないことはやらない」ということです。
全員が「これは正しい」と思うようなことは、新しいことでもなければ、大したことでもない。
わざわざ力を使ってやるほどのことではなく、
もっと別の案を考えたほうがうまくいく可能性が高いものだと。
反対意見が出てこないときには、特にリーダーは注意が必要だということでした。
良品計画の企業ビジョンです。
「良品」には、あらかじめ用意された計画はない。
しかし、自ら問いかければ、無限の可能性が見えてくる。
自分自身に問いかけ、覚悟を決めた時、見えるものが違ってくるのだと思います。
要するに強くなれるのではないでしょうか。
必死になれるし、反対意見にもへこたれない。無限の可能性に向かって頑張れる。
社会人として、リーダーとして、人間として、
あらゆる立場においてもためになる言葉が詰まっています。
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タイトル:覚悟さえ決めれば、たいていのことはできる
著 者:松井忠三
発 行:2015年5月10日
発行所 :株式会社サンマーク出版
■参考サイト
型の無いところに「型破り」は生まれない―松井忠三会長が明かす「無印良品の、人の育て方」
日刊読むラジオ
http://www.yomuradio.com/archives/4507
良品計画会長 松井忠三│滝川クリステル いま、一番気になる仕事|連載|WEB GOETHE
http://goethe.nikkei.co.jp/serialization/takigawa/140204/
RP さと、うま
また同じ項ですが「不器用であることも才能ととらえる」ともありました。
人は誰しもが2年や3年で同じように成長するとは限りません。
器用な人もいますが、なにをやってもすぐに出来てしまうので、
成長は早いものの長続きしないこともあります。
むしろコツコツとがんばりつづけることができる人のほうが、
最終的にはより高いところまで上がっていけるのだとありました。