2020年2月のさと、うま 2025年、人は「買い物」をしなくなる@望月智之

衝撃的なタイトルだったので、思わず電子版をクリック!

2006年よりECのコンサルティングにたずさわっている著者は、はじめにこのような表現をされている。

・・・私が今ひしひしと感じているのは、この数年の消費者の消費行動・購買行動が劇的に変化しているということだ。
私もアメリカや中国といったデジタル先進国にたびたび足を運んでいるが、そこではもはや消費者にとって買い物は「面倒くさいもの」という扱いになっていて、必要なはずだったプロセスを次々に省略しているのだ。
たとえば、実店舗に行くのは時間がもったいないから行きたくない。
ネットで予約できないような店には最初から行かない。
レジに並ぶのが面倒くさいから少しでも空いている店に行く。
商品が届くのを待ちたくないから、多少高くてもすぐに商品が届くECサイトを選ぶ。
こういった感覚が向こうでは当たり前になっている。
そのため、小売店や飲食店は、「顧客が面倒に感じることをより少なくする」といった経営方針にシフトしており、実際にそれで大きく売上を伸ばしている。
AmazonやUber、Netflixが代表例だ・・・

確かに。
昨年5月に訪れたシリコンバレーのAmazonGOも、そのひとつだろう。
スマホを「ピッ」とかざして店内に入場し、欲しい商品を手に持ったまま店から出た。
数分後には購入した商品一覧、明細がスマホに送られてくる。
この場合は「店舗へ行く」必要はあるが、面倒は極端に少ない。
これか。

さらに著者はこう表現されている。
10年前とは明らかに買い物の仕方が変わっているのだ。
・・・
もちろん、お金を支払って何かを買うことがなくなるわけではない。
なくなるのは、これまでの買い物におけるさまざまなプロセスだ。

この時点で、「うちの業界は大丈夫だよ」「俺が生きているあいだはにはないだろうな」と感じた方も多いのではないでしょうか。

たしかに、「面倒を少なくした」だけでは成り立たない業界もあるんだよ、ニッチなマーケットで戦っているから大丈夫だよ、ととらえる各業界の方もいらっしゃるだろう。

しかし続けて著者は、個人が小売りにもなりメーカーにもなり、顧客の嗜好が目まぐるしく変わる時代に、大ロットでのビジネスは、もはや厳しすぎて勝負できない時代であるとも言う。

なるほど。

マス戦略からスモールマス戦略へ時代はすでにシフトしているのだ。
AIの進歩や面倒をなくす買い物・・・と表側を見れば賛否両論もあるのだが、そもそも人々の嗜好がニッチな方向、個性あるスタイルに変化しているという裏側もひっくるめて捉えると、より納得してきた。

大衆食堂からチャーハン専門店へ、洋食屋からオムライス専門店へと移り変わってきたように、ヒトの行動はもはや市場において、小さなマスを選ぶように導かれているのだ。
そして小さなマス市場でも共通することが、「面倒をなくす」ということではないか。

私もタイトルだけを拝見して、「そんなわけないでしょ」と率直に感じた。
読み終えて、間違いないと感じたことは、「時代は急速にシフト」していると言うことだ。
それだけでも出会えてよかったと思える一冊!

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タイトル:2025年、人は「買い物」をしなくなる(電子版)
著  者:望月智之
発  行:2019年11月15日
発行所 :株式会社クロスメディア・パブリッシング

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