著者は2006年にライフネット生命保険を設立し、
代表取締役会長兼CEOを務める出口治明氏。
出口氏の書籍ははじめて手に取りました。
下記にある関連サイトの通り、ライフネット生命を起業したカリスマ性のある方で、
サイトに連載されている記事が豊富で読む機会がおおくあったのですが、
正月の新幹線の中でようやくじっくりと読む機会にめぐり逢いました。
冒頭に、書籍のタイトルにならい
「教養とは何でしょうか?どうして人間には教養が必要なのでしょうか?」
と出口氏の問いかけがあり、そこから枝葉のように本書は進みます。
「教養とは、人生におけるワクワクすること、面白いことや、
楽しいことを増やすためのツールです」という一言に尽きる。
「その教養を身につけるには、ある程度の知識が必要です。」
「しかし勘違いしてはいけないのは、知識はあくまで道具であって手段にすぎない
ということです。決して知識を増やすことが目的ではありません。」
「また教養のもう一つの本質は「自分の頭で考える」ことにある」
1文字1ページに読み応えがあります。
最も腑に落ちたのが、
「広く浅く」ではなく「広く、ある程度深い」素養を持ち、
加えて決定的に重要なのは「自分の意見を持つ」というページです。
氏いわく、日本にはもともと異論を論じにくい風潮があります。
・・・世界では、ユニークなものの見方やパーソナリティが際立った考え方は、
それだけで一目も二目も置かれます。
かれらは「こんなこと言ったら恥ずかしいのでは・・・」などとは金輪際考えません。
むしろ、いっぱしの大人が「自分の意見」のひとつも持たないほうが恥だと思っています。
自分の意見をもとに自分の生き方を追求し、人生を謳歌することが理想とあります。
「自分の意見」がないことは、自分の人生の基盤を持っていないことと
ほぼイコールなのです。
本物の教養とは人生を面白くする、それを世界ではすでに行っている。
グローバルリーダーを目指す若者はそのためにも多くの教養を身につけ、
自分の意見を持たたければいけない。
出口氏もロンドンをはじめ、海外で活躍された方です。
私自身は意見するほうだと思いますが、
知識だけで教養が足りていない節が大いにあります。
改まらないと駄目ですね!
また80ページに「ネット全盛時代でも新聞が有能な理由」とあります。
私も唯一日経新聞を購読しています。
しかし私もそうですが、皆さんも「ネットのほうが早いじゃん、
なんで古い情報にお金を出さないといけないの」と思いませんか。
例えば火事があればTwitterで誰かがアップし、アプリの「Periscope」を使えば、
世界中のライブ放送がリアルタイムで見ることが出来ます。
出口氏は現代における新聞の存在意義はなにかといえば
「文脈」であり「編集力」だとおっしゃっています。
毎朝三紙を1時間かけて読まれるそうです。
見出しと記事の大きさや扱いで、世の中で何が大事とみなされているかが、
一目で分かります。
欧米の新聞のタイトルだけでも読めば、その国が大切にしている大事が分かります。
同じ記事でも3人のプロがそれぞれ書いた内容には違いが見られます。
好きなニュースや読みたいニュースは確かに一瞬で知ることが出来ます。
しかしそれはただの雑学で終わっていませんか?私はまさに雑学で終わっています。
限りない情報に溺れず、その中から限りある情報を集中させ、考える事や教養を
身につけることのほうが、どれほど教養につながるのでしょうか。
まさに目からうろこ、感心させられました。
こちらも即改善します。
本書は読みやすく分かりやすく的確に手段と目的が書かれており、
とても参考になります。
また大切な宝物にめぐり逢いました。
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タイトル:人生を面白くする本物の教養
著 者:出口治明
発 行:2015年9月30日
発行所 :幻冬舎
■関連・参考サイト
ライフネット生命保険株式会社
http://www.lifenet-seimei.co.jp/
出口治明の提言:日本の優先順位(ダイヤモンド・オンラインにて連載)
http://diamond.jp/category/s-deguchi_teigen
出口 治明の「ビジネスに効く読書」(日経ビジネスオンラインにて連載)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20130321/245372/
RP さと、うま