2016年6月のみしば ニューカルマ@新庄耕

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黒でも白でもないネットワークビジネス。

「マルチ商法」と呼ばれることも多く、
いわゆる「ネズミ講」と混同されがちだが、法律では禁止されていない。

2016年の現代、シャープや東芝、さらに資源安で前代未聞の赤字を計上した大手商社など、
名門と言われた大手企業が軒並み不祥事でリストラが叫ばれている時代。

将来が不安。
金があれば、働かなくてもラクに生きていける。
経済的自由人になりたい。
毎月、定期的に不労所得が入ってくれば…

“あなたは給料とは別に百万円入ってきたらいいと思いませんか”

本書は主人公が元々はネットワークビジネスに懐疑的だったが、
会社でのリストラの可能性が高まるにつれて何かに救いを求めるように
ハマっていく姿が描写されています。

不安や葛藤に押しつぶされ、成功と失敗を繰り返し、
友人やお金、そして人として一番大切な「信用」まで失ってしまう主人公。

本書を読み、ネットワークビジネスというものは法律上禁止されていない以上、
「善」か「悪」かは人それぞれの感じ方や判断に委ねるしかないと感じます。

上段でも述べたように、企業の不祥事だけではなく、
ワークライフバランスの悪化、パワハラ、セクハラ等が多い世の中で、
「組織より個人で楽しくラクに働こうぜ」のような「フリーでどうやっていくか」
というようなものが流行っているようです。

人間は弱い生き物。
自分で自分の精神がコントロールできなくなった時に、
自分に甘くなり、目の前に「美味い話」があるとつい流されてしまうもの。
弱っている人間の「情」に訴えかけるようにつけ込んできます。

働き方が多種多様にあるこの時代に、
数時間で月に何百万と稼ぐ人は多くいると思います。

そういう中で自分がどういう働き方をするか、
何が良くて何が悪いのかを最終的に判断するのは自分です。

それはつまり、「自分がどういう風に生きていきたいか」
ということでもあると思います。

当社でも「フィロソフィをベースにした経営」を掲げ、
毎日フィロソフィに触れ、人として正しい考え方や判断軸を学んでいます。

人間の弱さをカバーできるのは自分の信念や意志だと
本書を読み強く感じました。

不安、不満、怒り、憎しみといった感情は誰にでもあると思います。

環境のせいにし、自分に納得できる状態を選べている人は少ない中で、
「じゃあ、自分はどうするのか。どうしたいのか」
それを強く試されている時代であるということを感じる一冊でした。

皆様、是非ご一読ください。

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タイトル: ニューカルマ
著  者:新庄耕
発  行:2016年1月10日
発 行 所:株式会社集英社

RPみしば