オフィスの移転は、企業の成長戦略に関わる重要事項です。
背景には、それぞれの会社が持つ事情や課題が存在しており、人員増加や業務拡大といった前向きな理由以外にも、経費削減や業績低下が理由となることもあります。
今回は、オフィス移転がどのような理由で実施されているのかに着目します。
オフィスを移転する主な理由
オフィスを移転する代表的な理由には、以下が挙げられます。
人員の増加
オフィス移転の理由で最も多いのが、従業員の増加に伴うスペースの確保です。業績が好調で働き手が増えても、オフィスが手狭で生産性が下がってしまえば本末転倒。将来的な人員増強をあらかじめ視野に入れて、事前に広いオフィスに移転することもあります。
環境改善
オフィスの立地や構造などが働く意欲を低下させている場合、オフィス移転が有効な解決策になります。仕事へのモチベーションが上がる魅力的な環境になれば、従業員の離職率が低下するだけでなく、優秀な人材も集めやすくなります。
ブランディング
企業のイメージアップを図って、ブランド力の高い立地に移転することも少なくありません。同業種の会社が集まる有名エリアにオフィスを構えることで、知名度のみならず社会的な信用も高めることが期待できます。
経費節減
コスト削減を目的とした移転も、よくある理由の一つです。現在よりもリーズナブルな物件やスペースを縮小したオフィスに移ることで賃料や光熱費を抑えて、直接的なコストカットにつなげるのが狙いです。
外的な要因によるオフィス移転
オフィス移転の実施には、外的な要因が理由になる場合もあります。
賃貸借契約の満了
賃貸借契約の内容によっては、契約期間の満了の際にオフィス移転の必要性が生じることがあります。また、オーナーの変更など、不測の事態によって更新や継続契約ができなくなることも想定されます。
建物の老朽化
建物の築年数が古い場合、老朽化によって建て直しや取り壊しが行われることがあります。耐震改修の対象となって補強工事が行われる場合も、一時的に業務ができなくなるため移転を余儀なくされるでしょう。
多様化するオフィス移転の理由
ポストコロナ時代の到来によって、オフィス回帰への流れが強まるなか、従来とは異なる柔軟な働き方や環境づくりのためにオフィスを移転するという企業が増えています。
さらには、大規模災害発生による機能停止の回避のためにオフィスを分散してリスクに備える移転や、カーボンニュートラルなどの環境問題に取り組むための移転など、時代の流れとともに、オフィスを移転する理由も多様化しています。
どのような理由であっても、移転の目的やゴールを事前にしっかりと明確化しておくことが、オフィス移転を成功させるカギとなるでしょう。