ストレスを抱えている人が多いといわれている現代社会において、働く環境を整えることはとても大切です。
近年オフィスにBGMを導入する企業が増えてきましたが、BGMは働く環境改善にどのように役立つのでしょうか?
さまざまなストレスに悩まされている
1日中のパソコンワーク、さまざまな仕事上のトラブル、人間関係など、職場におけるストレスの原因は多様です。
1日のうち1/3をオフィスで過ごしているワーカーにとって、少しでも快適に働ける環境を整えることが、仕事の効率化にも繋がるのです。
仕事中のBGMがストレスの軽減に役立つのかという研究は、20年以上も前から行われています。
BGMがある環境とない環境を比べた実験では、BGMがある環境で働いた人に「ゆとりをもって仕事に取り組めた」「仕事に集中できた」という回答が見られました。
無音状態より、音楽が流れていることで仕事に集中できるようになる。
それには音楽が自律神経などに作用する、まるで薬のような効果を持っていることが起因しています。
音楽をかけることによる効果
カフェなどに入った時、何気なく聞こえてくる音楽にホッとする人も多いのではないでしょうか?
実際、ゆったりとした曲は心をリラックスさせ、アップテンポの曲は気持ちを高揚させるなど、音楽にはさまざまな効果があるとわかってきています。
そのため病院などでもBGMが使用され、治療の際の緊張をやわらげるようなメンタルケアに役立てているのです。
仕事始めには集中力をアップさせるようなBGMを、疲れが出始める時間帯にはヒーリング効果のあるBGMを…といった具合に、さまざまなBGMを組み合わせると、より効果的といわれています。
また、ワークスペースでは少しだけアップテンポの曲を使って仕事の効率性や生産性を高め、休憩室などではスローテンポのヒーリングミュージックなどを使うことで、疲労を軽減させるなど、エリアによって使い分けるのもいいかもしれません。
ただし歌詞が入っている曲は逆にその言葉に気を取られてしまうので、仕事中には控えてほうがいいかもしれません。
BGMのマスキング効果
レストランなどで何気なく流れているBGM。
それが突然消えた時、急に周囲の音が気になり始めることはありませんか?
実は、BGMには「マスキング効果」と呼ばれる同じ周波数の音を打ち消すような効果があるのです。
例えばパソコン操作の音やちょっとした話し声などは、BGMをかけることによって軽減させることができます。
オフィスに飛び交う雑音が少しでも減れば、仕事にも集中しやすいでしょう。
また、こうした効果を利用して会議室などに音楽を流すというのも有効的です。
会議で話す重要な内容が漏れ聞こえないように、音楽を流すことで会話の内容をマスキングすることができるのです。
このマスキング効果を最大限に発揮するためには、BGMの音量にも気を配る必要があります。
あまり大きな音量では集中の妨げになりますし、小さすぎてはマスキング効果もリラックス効果も得られません。
BGMは効果的に使うことでオフィスの雰囲気をよくし、リラックスして働ける環境づくりに役立つようです。
まとめ
BGMがあると、なんとなく和むものですよね。
ノマドワーカーがカフェで作業をすると集中できるというのも、もしかしたらこうした音楽の効果が一因しているかもしれません。
オフィスワークでは、パソコンに向かい一つのことに集中することも多いでしょう。
BGMを取り入れることは、ストレスの軽減やモチベーションのコントロールなどにも役立ちそうです。