季節の変化による寒暖差はもちろん、日々の気温の乱高下も珍しくない昨今、室内の温度や湿度を調整できるエアコンは、オフィスにおける必要不可欠な設備の一つです。
オフィス内のエアコンにトラブルが発生すると、快適な業務環境を維持することができなくなり、業務効率や生産性が低下してしまいます。
今回は、オフィスエアコンの故障の原因と、メンテナンスの重要性について解説します。
オフィスのエアコンが故障する原因
エアコンの代表的なトラブルには、以下が挙げられます。
エアコンの効きが悪い
運転モードや設定温度が正しいにもかかわらず、エアコンが適切に稼働しない場合は、フィルターやアルミフィン(熱交換器)の目詰まりが考えられます。ホコリによる汚れはクリーニングで対応できますが、改善しない場合は熱交換器などの不具合が疑われます。
また、室外機の吹き出し口が物でふさがっているのもエアコンの効きが悪くなる一因です。室外機の周りにも気をつけましょう。
変な音(異音)がする
フィルターがホコリで詰まってしまうと、エアコンの風を正常に送ることができないため、「ブーン」といった大きな音や振動が発生します。掃除をしても動作が改善されない場合は、ファンモーターが故障しているおそれがあるため、早急な修理が必要です。
嫌な臭い(異臭)がする
異臭の原因の多くは、エアコンが吸い込むホコリが水と反応することで発生する「カビ」にあります。エアコン内部にカビが発生すると従業員の体調不良につながるため、異臭を感じたら徹底的に汚れを取り除く必要があります。
水が漏れてくる
水漏れトラブルの大半は、熱交換器で発生した水が正常に排水されないことで起こっており、その原因の多くはドレンホースの故障や詰まりにあります。結露水をためるドレンパンの破損から起きている場合もあるので、専門業者による原因特定が必要です。
定期的なメンテナンスを行う重要性
ほかの業務と比べてついつい優先度が低くなりがちなエアコンの保守管理ですが、定期的な点検を行うことで、以下のようなメリットが得られます。
過度なエネルギー消費が防げる
エアコンのフィルターや内部に汚れやホコリが溜まったまま使用していると、運転効率が悪くなって電気代高騰の原因になるおそれがあります。過度なエネルギー消費を防ぐことで、ランニングコストの低減が期待できます。
故障リスクを最小限に抑えることができる
致命的な不具合が生じると修理や交換に時間がかかるため、通常業務に悪影響を及ぼすおそれがあります。定期的にエアコンのメンテナンスを行っておくことで、故障リスクを最小限に抑えることができるでしょう。
快適なオフィス環境を維持できる
不快な温度や湿度、異音や異臭のするオフィス環境は、従業員の健康面にダメージを与えかねません。オフィスワーカーが業務に集中できる快適なオフィス環境を維持するためにも、エアコンの点検作業は重要です。
メンテナンスの頻度と法令点検について
一般的なオフィスでは、エアコンのフィルター掃除は2ヶ月に1回、本格的なクリーニングは2~3年に1回が目安といわれています。
ただし、フロン類が使用されている「第一種特定製品」に該当する業務用エアコンの場合は、フロン排出抑制法によって点検義務が生じるので注意が必要です。
令和2年には「改正フロン排出抑制法」が施行され、点検業務を怠った場合などのルール違反に対する罰則も強化されました。
対応機種かどうかは室外機の銘板・シールなどで判断できますが、わからない場合は、直接メーカーや販売店に問い合わせて確認しておきましょう。
賃貸オフィスのエアコンの管理については要確認
賃貸オフィスに最初から設置されている設備に関しては、経年劣化や製品自体の寿命によって生じた故障などの修理費用は基本的に貸主側が負担します。
そのため、エアコンがオフィスの設備か、もしくは前の借主の残置物かを賃貸借契約時に確認しましょう。
オフィスの設備ならエアコンに何かしらの不具合が生じた場合は、速やかに管理会社やオーナーに連絡する必要があります。
残置物の場合、貸主とメンテナンスや故障時の対応などどのような扱いにするかの確認が必要です。
貸主が取引している業者や別途手続きなどがあるかもしれませんので、貸主側に連絡をせずに直接修理業者に頼むことはやめましょう。
賃貸借契約をしっかりと確認した上で対処するようにしましょう。