2020/10/12工事区分のB工事には注意が必要?A工事B工事C工事の違いとは

オフィス内外で設備の故障などを見つけた場合、オーナーと借主どちらの責任で工事を行うべきなのか悩むことがあるかもしれません。

実はこうしたもどかしい疑問を解決するために「工事区分」という取り決めが作られているのです。詳しくご紹介していきましょう。

工事区分とは

オフィスビルではオーナーと借主側で管理する場所が異なります。

そのため工事や修理の必要がある場合、誰が工事を依頼してその費用を負担するのかをきちんと決めておかなければ、後々問題になってしまうことがあります。

そうした問題が起きないようにするための取り決めが「工事区分」です。

入居時に改装工事を行うことの多い賃貸オフィスにおいては、大抵の場合、契約時に工事区分表を作り「依頼」「業者の選定」「支払い」のそれぞれを誰が行うか決めてあることがほとんどです。

細かい部分はビルによっても変わるので、移転などを行う際には、新しいオフィスビルがどういった工事区分になっているのかを確認しておくようにしましょう。

A工事・B工事・C工事の違い

それぞれの工事区分で、誰にどの権限があるのかをご紹介していきます。

A工事

依頼から支払いまで、全てをオーナーが執り行う工事です。

主にビルそのものに関わる部分や、共用部分などの工事がA工事になります。

例えば「共用のトイレが壊れた」「廊下や階段の修繕」「エレベーターの故障」などが対象です。

B工事

借主の要望で行い、費用の負担も借主側ですが、業者の選定など工事そのものの権限はオーナーにある工事です。

この場合、借主側は依頼をするだけで費用面など交渉できないことが多く、この仕組みのややこしさから問題になりやすい工事でもあります。

主にB工事の対象となるのは、テナント内にある設備の不具合で、その設備がビル全体に関わるようなものである場合です。

例えば「空調設備の故障」「配電盤の故障」「給水管・排水管の不具合」などがあげられますが、B工事の区分はとくに千差万別なので契約時などにきちんと把握しておくと安心です。

また、給水管・排水管のようにビルの中を張り巡らされている設備は、区間によってそれぞれの工事区分が分かれている場合もあるので、こちらも確認を忘れないようにしましょう。

C工事

依頼から支払いまで全てを借主側で行える工事です。

主にテナント内での改装工事がメインで、クロスの張替えやインターネット回線の引き込みなど、原状回復ができる工事がC工事とされます。

借主側で施工業者を選べるので細かな要求や価格交渉などもでき、自由度のある工事が可能といえるでしょう。

借主側としては安心して行える工事といえるかもしれませんね。

退去時の原状回復工事もC工事がほとんどですが、契約によってはB工事とされている場合もあります。

もちろんC工事といえども、工事の際には必ずオーナーの許諾を得るようにしてください。

まとめ

工事区分が細かく分けられていることを知らなかったという人は多いかもしれません。

しかし工事区分を理解していれば、故障などの際にどこまでを借主側で修理するべきか把握しやすく、どちらの負担でもめることもなくなるのです。

工事区分表は細かく記載されていて見づらいものですが、契約時には必ず目を通しておくようにしましょう。

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