オフィス移転を考えた時に、気になる項目のひとつとして床荷重があります。
重量の重いものを一部屋にいくつも置くような業種によっては、オフィスの床にかかる荷重についても検討しておきましょう。
オフィスの床荷重の上限を超える場合、床の凹みや陥没、またその部分に設置した機器や棚の転倒による破損といったトラブルが出てしまう可能性があります。
床荷重は建築基準法によって定められている
床荷重とは1㎡あたりの床が耐えられる重量のことです。
建築基準法によると、オフィス(事務室)の床荷重は1㎡あたり2900N(ニュートン)と定められています。
2900N/㎡はおよそ295kgの重量を支えられる力で、事務室を作る時の最低単位とされています。
法律上は2900N/㎡を超えていれば問題ありませんが、オフィスビルではこれ以上の床荷重を見込んで設計されており、300 kg /㎡から500kg /㎡くらいが一般的です。
しかし、サーバールームや書庫を設置する場合や大型金庫のような重量のあるものを置く場合、一般的なオフィスの床荷重では耐えられない可能性があります。
そのような場合は超重量に対応できるように設計・建設、あるいは補強をした「ヘビーデューティーゾーン」が必要になります。
オフィス移転時には注意と確認を
サーバールームのような重量のあるものをオフィスに置く場合、オフィス移転時には必ず床荷重を考える必要があります。
物件を探す際の条件に「ヘビーデューティーゾーン」が必要であるか否かを把握しておきましょう。
万が一、入居後に床荷重の問題が発覚してしまうとトラブルになる恐れがあります。
移転時には床荷重に余裕があったとしても、年数の経過とともに物量が増えて余裕がなくなるかもしれません。
長期的な入居を考えているのであれば、床荷重に余裕を持った物件探しが必須になります。
OAフロアの注意点
床が二重構造のOAフロアの床荷重についても注意しましょう。
床そのものの床荷重が充分に重さに耐えられる設計だったとしても、その上になるOAフロアの床荷重が設置機器や家具の重量に適していなければ、OAフロア部分の破損が起きてしまう可能性があります。
普段はかろうじて耐えられていたとしても、大きな地震が来れば破損しやすくなります。
この点もオフィスレイアウトを考える時点からのチェックが必要です。
OAフロアを利用する場合には、下になる床そのものの床荷重に加え、OAフロアそのものの床荷重を合わせて考えましょう。