オフィス移転の担当を任される部署といえば一般的に総務部であることが多く、会社の一大プロジェクトを円滑に進めるための本部として、その役割はとても重要です。
今回はオフィスを移転する際に、総務が行うべきタスクについてご紹介します。
手続きが必要となる各種届出
オフィスを移転する際には、さまざまな手続きを行う必要があります。
現在のオフィスと同じ管轄内での移転なのか、管轄外になるのかなど、条件によって手続き方法が変わる場合があり、提出のタイミングや期限も届出の種類によって異なります。
それぞれの会社によって必要な手続きが異なりますので、移転計画が出たら早めの段階で詳細を確認しておきましょう。
届出が必要になる関係先には、以下のような機関が挙げられます。
- 法務局
- 税務署
- 都道府県税事務所
- 消防署
- 警察署
- 社会保険事務所
- 労働基準監督署
- 年金事務所
- 公共職業安定所(ハローワーク)
- 郵便局
- 銀行
- 証券会社
- クレジットカード会社
旧オフィスに対して行うべきタスク
- 貸主への解約予告と解約手続き
- 原状回復工事
解約を通知する具体的な期日は物件によって異なりますが、退去する6ヶ月前までに行うケースが多いです。
正式な解約予告期間は「賃貸借契約書」に記載されているので、敷金や保証金の返還、退去できる時期や中途解約などについても併せて確認しながら解約手続きを進めましょう。
退去の際には、現在使用しているオフィスを元の状態に戻す「原状回復」を完了させていることが条件となるため、賃貸借契約書で「原状回復義務の範囲」と「施工業者の指定の有無」を確認し、指定がない場合は施工業者の選定から行います。
新オフィスのために行うべきタスク
- レイアウトプランの作成
- 内装工事
- 電話・インターネット工事
- 電気・空調・セキュリティ工事
- オフィス家具・備品類の選定と発注
- OA機器などのリース契約の手続き
移転の目的やコンセプト、移転先の立地や規模などを踏まえながら、内装工事を依頼する業者と具体的なレイアウトプランやデザインを固めていきます。
入居工事に関わる業者についても賃貸借契約書で指定されている場合があるため、事前に確認してから手配を進めるようにしましょう。
引っ越しにともなうタスク
- 引っ越し業者の選定と手配
- 移転マニュアルの作成・配布
- 社員向け説明会の開催
- 梱包状況の確認
- 廃棄物・不用品の処理
実際の引っ越し作業の大半は業者に任せることになりますが、荷物の梱包は搬出当日までに済ませておく必要があるため、従業員一人一人が滞りなく準備を進められるようにフォローしましょう。
庶務的タスク
- 社員証、名刺、入館IDの作成
- 封筒、請求書などの印刷物やゴム印の手配
- 通勤定期券の変更
- 移転の挨拶状の送付
- 社用ホームページ、SNSの住所変更と告知文の掲載
新オフィスでの業務に支障が出ないように、全社員が必要なものは移転日の前に用意できていなければなりません。
特に印刷物の準備は直前の申し込みでは間に合わないおそれがあるため、移転先が決まった段階から取り組み始めるとともに、常に進捗をチェックしていきましょう。
取引先やクライアントに挨拶状や移転メールを送る際は、関係各所をリストアップして、漏れがないように確実に送付することが重要です。
まとめ
オフィス移転で総務が行うべきタスクは多岐に渡る上、いくつもの作業を同時に進めていかなくてはなりません。
タスク漏れを防止するためにも、まずは全体の流れを網羅したスケジュール表とチェックリストを作成し、部署内で共有しながらタスク管理を行っていきましょう。