2019/12/20高額な医療費の負担を軽減できる!「高額療養費制度」と「医療費控除」

医療費が高額になると、家計への負担が大きくなります。そんな時には、軽減できる制度をフル活用してピンチを乗り切りましょう。

高額な医療費を支払った歳に、家計の助けとなってくれる制度を2つ紹介します。

高額療養費制度

健康保険を利用すれば、医療機関や薬局での医療費の自己負担は1割~3割で済みますが、この割合であっても入院や手術となると数十万円以上の支払いを求められるようなケースも少なくありません。

こんな時に、ぜひ活用したいのが、高額療養費制度です。この制度を使えば、1ヶ月当たりで支払う医療費に上限を設け、それを超えた金額は払い戻しを受けることができます。

自己負担の上限額は、年齢や所得によって変わり、またいくつかの条件を満たすことにより、さらに負担を軽減するしくみも設けられています。

70歳未満で住民税非課税世帯であれば、35,400円が限度額です。同じく70歳未満で、年収約370万円から約770万円に当てはまる場合には、

【80,100円+(医療費-267,000円)×1%】

という計算式で限度額が算出されます。この金額を超えて支払った分は、申請することで払い戻しされます。

ただし、以下のような出費は高額療養費制度の対象外です。

  • 食費
  • 住居費
  • 差額ベッド代
  • 先進医療のために必要な費用

また注意しないといけないのは、高額療養費制度の払い戻しにはおよそ3ヶ月以上かかるため、一時的には医療費を立て替えなくてはなりません。この負担を軽減するには、事前に加入している公的医療保険に「限度額適用認定証」を申請しておきましょう。この認定証を提示すれば、窓口での支払いを限度額までに留められます。

自分の場合、どこからどこまでが制度の対象となるのか、事前にチェックしておくと安心です。

医療費控除

その年の1月1日から12月31日までの1年間に自分や生計を一緒にする家族が支払った医療費の合計が一定額を超えた場合、その費用の一部を税金から控除できる仕組みが、医療費控除です。

医療費控除の対象となる金額は、以下の計算式で求めてみてください。

【支払った医療費合計 - 保険金などで補填された金額 -10万円(※)】
(※)その年の総所得金額等が200万円未満の人の場合は、総所得金額等の5%相当額

医療費控除の対象となる金額は医療機関での診療・治療代のほか、妊娠出産における検診・分娩・入院費用、医薬品の購入代、医療用器具の購入やレンタル代、患者本人と子どもなど介助が必要な患者の付き添いのための通院・入院のための交通費などが含まれます。

また医療費控除にはもう一つ、令和3年までと期限が決まっている特例として、セルフメディケーション税制があります。これは健康の維持増進や疾病の予防など一定の取組のため、1年間で購入したスイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)の購入費用から1万2000円を差し引いた金額を所得から控除されます。

確定申告の際、医療費控除として申告できるのは従来の制度か特例かのいずれか一方になります。医療費負担が重くなってしまった分、税金の負担を軽減できるので、ぜひ忘れずにチェックしてみてください。

確定申告には、病院や薬局で受け取った領収証やレシートが必要となりますので、大切に保管しておきましょう。専用の明細書に情報を記載し、提出することで、すでに支払った税金の一部を還付金として受け取れるでしょう。

まとめ

高額療養費制度も医療費控除も、自分自身で適切な知識を身につけ、実際に行動を起こさなければ、その恩恵を受けることはできません。自身や家族が対象になりそうな時には、まずは制度の詳細についてリサーチしてみてください。病気やケガによる不安を、軽減できるのではないでしょうか。

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