2020/02/19高年齢雇用継続基本給付金とは

定年後も積極的に働いてもらうために、導入されているのが「高年齢雇用継続基本給付金」の制度です。これから先も安心して働き続けていくため、ぜひ頭に入れておきたい、高年齢雇用継続基本給付金の基本情報や給付条件、注意点などを解説します。

高年齢雇用継続基本給付金とは?

年金受給年齢が少しずつ引き上げられている今、老後の生活の安定のため、積極的に働き続ける方が増えてきています。とはいえ定年退職して再就職した場合、再就職後の賃金は、それ以前よりも下がるケースが多くみられます。同一企業で再雇用される場合においても、例外ではありません。

60歳になった時点の賃金と、60歳以後の賃金を比較した際に、後者が75%未満に低下している場合、給付されるのが高年齢雇用継続基本給付金です。

高年齢雇用継続基本給付金は雇用保険制度による給付金で、低下した賃金の一部を補填する目的で支給されます。対象条件に当てはまれば、60歳に到達した月から65歳になる月まで、最長で5年間支給を受けることができます。

給付のための各種条件

高年齢雇用継続基本給付金は、再就職に伴う賃金低下による影響を最小限にするための制度なので、賃金が低下していない場合には対象となりません。また雇用保険の制度であることから、雇用保険の被保険者であり、過去の加入期間が通算5年以上である必要があります。

またもう一つ重要なポイントとなるのが、雇用保険の基本手当の受給についてです。雇用保険の被保険者であった方が、仕事を辞めた際に受給できる手当ですが、高年齢雇用継続基本給付金の対象は、「基本手当を受給していない方」です。

基本手当を受給した上で再就職が決まった方は、高年齢再就職給付金の対象となります。

高年齢雇用継続基本給付金の注意点とは?

高年齢雇用継続基本給付金の受給には、いくつか注意点があります。まず、高年齢雇用継続基本給付金を考える上で、起点となるのが「60歳になった時点の月額賃金」ですが、これには上限が設定されています。上回っている場合でも、この上限賃金を元にして、どの程度低下しているのかが計算されます。

また高年齢雇用継続給付を受けながら働き、さらに老齢厚生年金の特別支給を受ける場合には、年金の一部がカットされてしまいます。

カットの影響がどの程度になるのかは、個々の条件によって違ってくるので、自分の場合はどうなのか、事前によく確認しておく必要があるでしょう。高年齢雇用継続給付の手続きは、基本的に事業主を介して行われることになります。ただし被保険者本人の希望があれば、本人が手続きを行うことも可能です。こちらについても、頭に入れておいてください。

定年後の再就職について、賃金低下の不安を抱えている方は多いことでしょう。高年齢雇用継続基本給付金の制度は、こうした不安に寄り添い、高齢者の働く意欲を支援するためのものです。ぜひ給付金の詳細や条件、注意点などを頭に入れた上で、自分にとってベストな働き方を選択してみてはいかがでしょうか。

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