夫婦それぞれが仕事を持つ、共働き家庭も増えてきています。一馬力で働くよりも家計が安定しやすく、また住宅ローンを組む際にも、余裕を持って計画を立てやすいという特徴があります。では具体的に、共働き家庭の住宅ローンは、いくら組めるのでしょうか。詳しく解説します。
住宅ローンの基本を知ろう
共働き家庭においても一馬力家庭においても、住宅ローンを組む際の基本に違いはありません。まずは以下のポイントをチェックしてみてください。
- ローンで重視されるのは返済負担
- 一般的な返済負担率は25%以内。上限は30~35%程度
お金を貸す銀行にとって、「きちんと返済できるのかどうか」が重要なポイントとなります。それを知るための目安が、返済負担率という数値です。たとえば年収400万円の方の返済負担率30%は、120万円という計算になります。1年で120万円、つまり1ヶ月あたり10万円の返済金額におさまる程度の借入れ金額が上限となり、これを超えるとローン通過は難しくなります。
とはいえこちらは、あくまでも「借りられる金額」であり、「確実に返済できる金額」というわけではありません。銀行が貸してくれるからといって、めいっぱいの金額でローンを組んでしまうと、返済中に生活が苦しくなってしまうことも考えられます。
共働き家庭の住宅ローンの組み方・3パターン
夫婦二人で働く共働き家庭においては、それぞれの働き方や収入に応じて、3パターンから契約方法を選択できます。
- 単独ローン(夫か妻、どちらか一方のみでローンを組む方法)
- ペアローン(夫と妻、それぞれがローンを組む方法)
- 収入合算(夫と妻の収入を合算して、ローンを組む方法)
単独ローンを組む場合は、一馬力世帯と変わりません。夫か妻、どちらかの収入のみで、ローンを組める金額が決まってきます。
共働きのメリットを実感しやすいのは、ペアローンと収入合算を選択した場合でしょう。夫婦それぞれの収入からローン契約金額を決定できるので、一馬力家庭よりも多額の住宅ローンも組みやすくなります。
共働き家庭は、いくらの住宅ローンが組めるの?
一言で「共働き家庭」といっても、その実態は家庭によって大きく異なります。「いくら借りられるのだろう」と思った時には、ぜひ世帯年収に注目してみてください。
- 世帯年収600万円の借入限度額目安……4,000万円程度
- 世帯年収900万円の借入限度額目安……6,000万円程度
- 世帯年収1,200万円の借入限度額目安……8,000万円程度
※返済期間35年、金利(年利)1.2%でシミュレーション
こちらはあくまでもシミュレーションの結果であり、個々の条件によっても借りられる金額は変わってきます。またローンを組んだ後、着実に返済していけるかどうかも重要なポイントとなります。
共働き家庭の住宅ローンには、選択肢の幅が広がるというメリットがあります。世帯収入が増える分、借入れ可能額が増える可能性もあり、より満足いくマイホーム作りにつなげられるのかもしれません。とはいえ現在の共働きの状況が、ずっと続いていくとは限らないからこそ、住宅ローンとの付き合い方については、ぜひ慎重に検討してみてください。