職場から配布される、源泉徴収票。「大切な書類とわかっているけれど、毎年何気なく受け取っているだけ」という方も多いのではないでしょうか。実はこの源泉徴収票には、給与を受け取って仕事をする人にとって重要な情報が、たっぷりと詰まっています。その見方について、詳しくチェックしてみましょう。
源泉徴収票とは?
源泉徴収票とは、1年間の給与と税金の動きについて、簡潔にまとめた書類です。企業に勤めている場合、会社が源泉徴収を行い、代行して納税してくれます。このお金の流れを示しているのが源泉徴収票です。
源泉徴収票が発行されるのは、
- 勤めていた会社を退職する時
- 年末調整を終えた時
です。年末調整や退職に伴う計算が終わったあとに発行される「報告書」と捉えればよいでしょう。
今すぐチェックしたい3つの項目
年末調整を終え、源泉徴収票が手元に届いたら、ぜひ以下の3つのポイントをチェックしてみてください。お金にまつわる重要な情報を入手できます。
年収と所得について
まずチェックしたいのが、自身の年収と所得についてです。源泉徴収票には細かな数字が多数並んでいますが、「支払金額」の欄がその年の1月から12月までの支払いが確定した給与・賞与などの総額、つまり年収となります。ローンを組む際には、この年収情報が求められます。一度チェックしておきましょう。
また、その隣に記載されている「給与所得控除後の金額」が、所得となります。1年を通じて、自分のもとにどれぐらいのお金が入ってきたのか、知るための手掛かりになるでしょう。
所得控除について
「給与所得控除後の金額」から給与所得控除以外の所得控除を差し引くと、課税所得が求められます。この所得控除に関する情報は、年末調整時に提出した書類をもとに決定されます。まずは自分が提出した内容と、源泉徴収票記載内容に相違がないかどうかをチェックしましょう。
所得控除欄には、控除対象となる配偶者や扶養親族の有無、社会保険料や生命保険料、住宅購入金等特別控除の金額などが用意されています。所得控除金額が大きくなれば、その分課税所得は小さくなります。節税できるポイントがどこにあるのか、ぜひチェックしてみてください。
税金について
源泉徴収票をチェックしてみると、自身が支払っている税金についての情報も得ることができます。日本の税制においては、課税所得金額が上がるにつれて税率も高くなっていきます。
自分自身がどの程度税金を支払っているのか、ぜひ客観的に把握してみてはいかがでしょうか。
源泉徴収票には、会社から支払われている金額や税金として納めている金額、また控除されている金額など、お金にまつわる情報が詰まっています。「数字が多くてややこしいから、ついもらったそのままにしている……」なんて方も多いのかもしれませんが、ぜひこの機会に、自身の情報についてチェックしてみてください。節税のポイントも、見えてくるのかもしれません。