従業員の家庭の事情によっては、ご家族に要介護者がいるかもしれません。
その際、介護のための休暇や休業を申請されたのであれば、速やかに受理する必要があります。
介護関連の休暇は「介護休暇」「介護休業」があります。
どちらもご家族に要介護者がいる場合に申請できる制度ですが、その違いは何なのでしょうか。
介護休暇とは
介護休暇とは「要介護状態の対象家族の介護のために短期的な休暇を取る」制度です。
この対象家族とは、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、孫、祖父母、兄弟姉妹、配偶者の父母のことを指します。
- 対象家族が1人につき1年度5日まで
- 対象家族が2人以上なら1年度10日まで
介護休暇は要介護者の人数によって、最大取得日数が異なります。
なお、介護休暇は時間単位での取得・当日電話など口頭での連絡による突発取得が可能なため、仕事と介護のバランスを取りやすい特徴があります。
介護休業とは
介護休業は「対象家族の介護のために長期的な休暇を取る」制度です。
休暇の目的や対象家族は介護休暇と共通なのですが、短期、長期という点で大きく異なります。
- 対象家族1人につき最大93日取得可能
- 分割取得可能
介護休業は対象家族1人につき、最大93日間の取得が可能です。
分割でも可能ですが、分割の場合は3回までとなり、最大93日間に至らなくてもそれで打ち切りになるので注意しましょう。
原則としては2週間前までの申請が必要になります。
介護休暇、介護休業のどちらも有給休暇とは別の扱いになりますので、有給休暇を消化しきっていても安心して介護をすることができるのはメリットです。
対象とする従業員の範囲や実際の申請手続きについては企業によって異なることもありますので、申請時には必ず確認するようにしましょう。
介護給付金制度の活用
介護休暇、介護休業ともに、期間中は賃金が支払われない制度です。
介護休暇は短期で済むため、そこまで収入を心配する必要がないという人も多いでしょう。
いっぽう、介護休業は3ヶ月以上に及ぶこともあるため、賃金の支払いがない時には不安を覚えます。
そこで雇用保険の介護給付金制度の活用をおすすめします。
介護休業の場合は介護給付金の支給があり、制度を利用すると賃金のおよそ67%が支給されます。
また、企業によっては独自の制度として介護休暇・介護休業中も賃金が支払うとしているところもあります。
もしも介護休暇や介護休業が必要になったら、社内規定を確認してみましょう。