2022/02/25三六協定とは? 労働基準法の一種で違反に対する罰則あり!

時間外労働はできれば避けたいものですが、業務によってはどうしても発生してしまいがち。

しかし、過度の時間外労働を課すことは健全な企業として感心できないことです。

昨今、多くの企業が真剣に受け止めている時間外労働。

「三六協定」を厳守し、従業員のワークライフバランスを守りましょう。

■三六協定(さぶろくきょうてい)とは?

三六協定とは、労働基準法の36条に基づいた労使協定のひとつです。

労働基準法において法定労働時間は「1日8時間、1週40時間以内」と決められています。

そのため、この法定労働時間を超える残業が発生する場合、企業はこの三六協定を従業員と結ぶ必要があり、三六協定を結んでいない企業は、法定労働時間外の労働を従業員に命じることはできません。

それでも、もしも超えてしまった場合は労働基準法違反となり、企業に対してペナルティーが科せられます。

ただし、すべての企業が三六協定を結ばなければならないというわけではありません。

上記の時間内に収まる残業であれば、三六協定を結ばなくても従業員に課すことが認められます。

■年6回までなら超過手続きが可能

さらに、条件を満たせば年に6回まで三六協定以上の残業が認められます。

たとえば通常の業務では定時内、あるいは三六協定で定められた時間内に必ず残業が終わる業種だったとします。

この企業が「繁忙期だけはどうしても規定の残業時間を超過してしまう」ということが確実に分かっていれば、事前の申請によって超過が認められます。

  • 確実に超過する理由が正当である(「○○の業務のため」と明記できる)こと
  • 申請できるのは年に6回まで
  • 申請期間中の残業時間は月に45時間以内

この3つの項目を守れれば、所轄の労働基準監督署に届け出ることで残業時間の超過が可能になります。

■厚生労働省の見解

厚生労働省は残業に対し、「できるだけ減らすべきである」という指針を発表しています。

「残業をできるだけ少なくすること」「残業する従業員の健康や福祉を確保すること」などが、厚生労働省の公式サイトに記載されています。

昨今に起きた過労死問題やワークライフバランスの見直しにより、三六協定が大きな意味を持つようになりました。

より良い労働環境を保ちながら業績を保つために、業務効率化に着手せざるをえない企業があるかもしれません。

しかし、従業員のワークライフバランスを重視することこそが業務効率化につながることは確かです。

今後は、「残業がなくては会社が回らない」という状況を改善し、「残業をしなくても業績が安定する」環境を作り上げていく時代になるでしょう。

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