育児・介護休業法が改正され、令和4年4月から段階的な施行がおこなわれています。
企業は対象となる従業員から申請があれば対応が必要です。
企業によっては新たな取り組みや就労規則の見直しも必要になる可能性があるため、変更点についてご紹介します。
育児・介護休業法で改正されたポイント
今回の改正でとくに押さえておきたい点は以下の5つです。
- 1:制度周知・意向確認・雇用環境整備(義務化)
- 2:契約社員や嘱託社員の育児・介護休業条件の緩和
- 3:出生時育児休業(産後パパ育休)の施行
- 4:育児休業の分割取得を可能に
- 5:育児休業取得状況を公表(義務化)
以前の育児・介護休業法と比較すると義務化された項目や新しい項目が取り入れられているため、人事制度や就労規則の見直しが必要になる企業もあるでしょう。
雇用環境整備には「育児休業・出生時育児休業」の研修の実施や相談体制の整備も含まれます。
出生時育児休業(産後パパ育休)のポイント
出生時育児休業、通称「産後パパ育休」は、文字どおり父親が育休を取る制度です。
注意しておきたい点は「育休を取れる期間が子の出生から8週間のうち、4週間(28日)を限度に限定されている」ということです。
休業は2回に分割して取ることも可能ですが、申請は原則休業の2週間前までにまとめておこないます。
人によっては、この休業期間中に一時的に仕事をすることを希望する方がいるかもしれません。
そのため、休業期間中の就業に関する労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲で就業が認められることになっています。
育児休業の分割取得のポイント
育児休業の分割取得とは、原則として子が1歳まで育児休業を分割して2回取得できる制度です。
男性の場合、産後パパ育休とあわせると4回まで育休が取れることになります。
ただし産後パパ育休と同様、分割して取得する時には最初にまとめて申請する必要があります。
今回の改正で、1歳以降に育休を取る場合、開始日が1歳6ヶ月および2歳までに変更されました。
このことにより、1歳以降は夫婦で交代しながら育休を取ることが可能になっています。
このような変更点に関連し、企業側は変更点を就労規則に反映させる必要があります。
また、産後パパ育休は労使協定によって「入社1年未満」「8週間以内に雇用終了」「1週間の所定労働日数が2日以下」の従業員は取得の対象外になる場合があります。
そして、企業は産後パパ育休が取りやすいよう、就労規則に産後パパ育休についての項目を追加するなどの環境整備が必要です。
雇用環境の実態を把握しながら、取得期間や対象者、申し出の手続きなどについてあらためて確認をしてみましょう。