2016年9月のみやの 空気のつくり方@池田純

9月のみやの 空気のつくり方 (480x640)

プロ野球のペナントレースもいよいよ大詰め。
セ・リーグではカープが25年ぶりの優勝を決め、
パ・リーグではソフトバンクと日本ハムが熱烈な優勝争いを繰り広げています。

私はそんなに野球が好きではないのですが、
一球団だけ応援しているチームがあります。

愛すべき横浜の地に本拠地を置き、
悲願のクライマックスシリーズを懸けて戦うチーム。
もうお分かりですね。
そう、横浜DeNAベイスターズです。

別に野球が好きではないですし、ルールもよく知りません。
タッチアップもスリーバントスクイズも最近知りました。
ただ、球場や試合の雰囲気、周辺の街が好きということで
昔から応援している方々には申し訳ないのですが、私も一人のファンです。
本の話と全く関係ないじゃないかと思われるかと思いますが、
大いに関係あります。

この書籍を執筆したのは、
横浜DeNAベイスターズの社長、池田純氏です。

この本の内容は主にベイスターズの再建にプロセスを描いた
池田式マーケティングの実例集です。

池田氏は赤字、借金まみれの状態から、一体化経営、ファン獲得、
球場集客165%アップなど、客数を上げるために
次々とアイデアを武器に仕掛けていきました。

マーケティングと言えば、膨大なデータから動向やトレンドを推測・把握し、
そのターゲットに向かった適切なアプローチを行ない、結果を基に新たな施策を打つ。
というのが一般的な考え方で、
私が大学の時に学んだマーケティングも
このような図解だったと記憶しております。

ただ池田氏の考えるマーケティングは全く逆の考えで、
売れるものづくりをするためにまず何をすべきか、ということを考え、
売れる雰囲気、つまり「空気感を生む」ということに焦点を当てています。

世で言われるヒット商品。
その反対に山積みになっていく商品。

何が違うのか根本的に考えると
商品の善し悪しもそうですが、
何よりも手掛けてその人のアプローチの仕方にあるのではないかと実感しました。
それがお菓子なのか、曲なのか、ファッションなのかは関係なしにです。

この本の中で一番印象に残っているのが
今蒔いた種は3年から5年掛かってやっと花が咲く。
という文章です。

私の歴代の上長(フィットネスクラブの時も含め)の方々は
同じようなことを口にしていて
「その人が今はすごくなくても、何年か先にお前を助けてくれる存在になる。
将来の付き合いを今からするんだ」
「トレーニングで初めて目に見える変化が出てくるのは最低でも半年。
それをどれだけ辛抱強くできるかどうか」
というようなお言葉をいただいております。

深い。実に深すぎる。
このことを今まさに実感しております。

この本を読んだからといって
ヒットの仕掛け人になれるかどうかはわかりません。
ただ、マーケティングだけではなく、
人の心を掴むための秘訣が書いてあるのは間違いありません。

ぜひ一読を!

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タイトル:空気のつくり方
著者:池田純
発行:2016年8月30日
発行所:幻冬舎

RP みやの