今月は部屋のデスクに長く積まれていた
イノベーションデザイン関連ブックのチョイス。
とはいいましたが、本書は2006年発刊の初刊。
つい最近かと思いきや、イノベーションは1911年に
オーストリア出身のシュムペーターが理論を構築したものであり、
すでに100年以上前からあったものだと知り、改めて視野の小ささに納得しました。
Appleの内容も書かれていますが、iphoneではなくipod。
初代iphoneは2007年1月発売だったので当然ですが、
CD、MD,mp3playerを使っていた時代に現れた
白く洗練されたipodを手にしたときは驚愕したことを鮮明に思い出しました。
本書は「デザイン」だけが目的に書かれたものではなく、
「デザイン戦略」について書かれている書籍です。
デザイン、といわれるとかっこよさだけに目が行きがちですが、
中心はやはり「人」。
そしてイノベーションで重要なことは著者も記しているように、
人々のニーズ、ウォンツ、願望を正しく理解することでしかない。
そうでなければ市場に評価されるものではないということ。
Appleの凄さは説明書がなくても使えるユーザーインターフェイス、
そして携帯性、さらにデザインがともなわれていることに強さがあります。
かっこいいだけではなく、利用者のニーズをみなで叶えるべく
トレードオフを繰り返してきたからこその商品。
そして飽きさせずに、iphone、ipad、applewatch、と繰り出される、
イノベーションの数々。
文中に、「大切なことは、誰が正しいとか間違っているとかではなく、
前進するために何をすべきかが重要なのだ」とありました。
ひとりでイノベーションを起こせるわけもなく、
どれだけ同じ方向を向いた仲間と前進していくか。
その姿がAppleという組織にはあるんだろうと感じます。
何かを「購入」するとき、同じ金額で同じ価値のものが棚に陳列されていたとしたら、
ほぼ間違いなくカッコイイ、かわいいほうの商品を選ぶのではないでしょうか。
また一方、メーカーやサービス業においても、ある意味で消費者から認知された、
日常生活に不可欠なコモディティ化した商圏で戦っていれば、
価格競争に陥ることは、避けては通れない大きな壁です。
しかし勝ち続けるためには、
人々のニーズを周知し(今で言えばデータ化も当然)、
イノベーションを繰り返すしか他に手立てはありません。
本書はとても参考になりました。
当時、無意識で利用していた商品の裏側を感じ取れたことに嬉しくもなりました。
ただひとつ希望が叶うなら、裏が鏡面のiphoneが嬉しいです。。。
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タイトル:ヒット企業のデザイン戦略
著 者:クレイグ・M・ボーゲル
発 行:2006年6月20日
発行所 :英治出版株式会社
■参考サイト
2015年10月のさと、うま 21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由@佐宗邦威
https://search.sunfrt.co.jp/blog/staff/yby/p1860/
RP さと、うま