2013年8月22日、
全国高校野球選手権大会決勝戦が行われ、
前橋育英高校(群馬県代表)が夏の甲子園初出場にして初優勝を飾りました。
その前橋育英高校野球部が大切にしていること、
それは「凡事徹底」です。
そして「凡事徹底」を丁寧に、しつこくチームに浸透させていったのが、
本書の著者である荒井直樹監督です。
荒井監督は社会人野球の名門であった「いすゞ自動車」の出身です。
そう、私、にのみ屋の大先輩であり、同志として戦った仲間なのです。
荒井監督の現役当時、本当に一生懸命に練習に取り組み、
誰よりも走り込む姿を今でも覚えています。
一方で怒られた記憶はほとんどありません。
そんな大先輩の存在があって、四国の片田舎から出てきた、
知名度も実力も何もない私が、「凡事徹底」、地道に努力を継続する
ことこそが実力であることを学び、試合に使ってもらえる選手になることが
出来ました。本当に感謝の気持ちしかありません。
その荒井監督がなんと本を出版していました!
書店で見つけたときには驚きましたが、
後輩として買わない訳にはいきません!
読み進めるにつれ、ここまで来るまでの苦労、葛藤があったこと、
またそれを自分自身の中でしっかりと整理し、外部に原因を求めない
強い心が確固たる信念として存在することを感じ、思わず目頭が熱くなりました。
本中の一文に「わがままは許さない」とあります。
キャッチボールをしているときに「太陽が眩しいから取れない」と
言い訳をした選手に対し、なんの工夫もしないで「出来ません」は許さない。
眩しいのは自分だけじゃない。
もしこれが試合だったら、「眩しいから取れませんでした」で終わらせるのか。
練習の場面の些細なことかも知れないが、それを許してしまえばチームのルールは
なくなってしまう。自分だけのルーティンはあっても、自分だけにしか通用しないルールはない。
だから言い訳もご法度だ。だから自分も言い訳はしない。
悪かったら「ごめんなさい」と言える人間になることが大切。
ビジネスの世界、組織、あるいは家庭においても大切な教えだと思います。
負けたら終わりの高校野球、人格形成の大切な時期を預かる高校野球。
常に真剣勝負で若人と向き合う責任が、指導者(リーダー)にはあるのではないでしょうか。
試合に勝つことだけが目的ではなく、「社会に出て活きる人財を育てる」。
その信念こそがリーダーには必要なのだと教えてくれます。
ぜひご一読ください。渾身のおススメ本です!
にのみ屋