本書は大ヒット「AIvs教科書を読めない子どもたち」の著者である新井紀子氏と、多くの著書や経済誌コラムで活躍する山口正洋氏ことぐっちーさんの新作共著。
以下、文中からの超超超超超抜粋。あしからず。。。
「全員がAIを使ってベンチャーを起こせないか」ですって?残念ながら、そうはなりません。なぜか。まさにAIの仕組み、そして可能性と技術限界を理解できるような高度に論理的な読解力を有し、しかも、AIでどのような問題ならば解決でき、それをマネタイズできるのかを見通す能力のある人が、まさに一握りしかいないからです。
(地方は)確固たる産業を地元で育てる努力をせず、補助金で東京資本の大企業を誘致することが地方自治だと信じてこの2018年までやってきたわけです。その結果、大企業の工場誘致は・・・最終的には労働賃金の安い国に移っていき、跡地は廃墟になるわけです。
滋賀県って実はインバウンド20%も減っているんですよ。このインバウンド景気の中で。47都道府県のなかで最下位。琵琶湖1周って200km以上あるんです。1日では自転車で走破するのは無理。2日か3日はかかります。ということは3泊してくださる可能性があるということです。なのに、その機会を全部失っている・・・
小さい子には、動物の絵のついている遊具が必要で、母親がそれを見守るのが”仕事”なんだからベンチを置いておけばよくて、公園は何世帯に1カ所何㎡で作ればよくて、そこにクルマは入れないんだから、それで安心でいいだろ、っていう感じ?若いカップルが行く場所として考えるのは、アウトレットモールでしょう。「買い物し続けろ」という脅迫概念のような場所。それはたぶん押し付けというより、想像力の圧倒的な欠如何だと思う・・・
オジサマ、特に地位のあるオジサマは会社のネットワークで会社の肩書きで生きていますから、それがなくなると途端に社会との濃密なつながりが失われてしまう。「退職したら、長年苦労をかけた妻と旅行に」とか思っているかもしれませんけど、だいたい妻の方は「女友達と旅行したほうが気楽で楽しい。」と思っている・・・今の会社の肩書きがなくなったときに、自分に何が残るのか、真剣に考えて「第二の人生」の計画を立て始めることをお勧めします。
大企業のサラリーマンは学歴やスペックは極めて優秀で、人に言われたことの遂行能力は素晴らしいのに、実体験、クリエイティビティ、リステークという点でレベルが低いのです。これではAIに負けてしまいます・・・一方で60代でも十分使える人がいるという事実もあるのです。彼らに共通していることは好奇心があるのはもちろんですが、自分の過去を振り返らないで、常に次のターゲットにチャレンジし続けているタイプだということですね。むしろ(そういう人は)日本の企業だと変人扱いされている方が多く、実際に出世も遅い(笑)。
結局つまらん建物を補助金で建てて、スターバックスとココカラファインなんかを入れて「俺のお陰だ」なんてふんぞり返っている・・・そういう人たちがテナントとして入れた企業は、売り上げが悪ければすぐに撤退するため、結果として駅前の1等地に建っているのに入居率が40%しかないという補助金建設が日本中にごまんとできます。
あなたのわずか40年のサラリーマン人生には歴史的普遍性は存在しようがない。「俺の時代は…」という話に意味はないのです。
大企業で部長、取締役を経験されてきた方は…若者たちの3億円程度のビジネスに対して、「自分は何百億円ものプロジェクトを動かしてきたので、そんなもの俺の言うとおりやれば簡単だ」と舐めてかかってきます…そういう方は仮に300億円の事業を動かしていたとしても、それは「他人の金」に過ぎません。自らが血を流しているわけではなく、それがうまくいこうといくまいと給料はもらえるという非常に恵まれた環境におられたわけです。その給料も勘違いしています。給料は自分で稼いでそこからもらうのです。この点アメリカの会社は非常にシビアで、肩書きが上でも稼げない人の給料はどんどん減りますし、最後は簡単にクビにします。日本の大企業はそういう組織になっていない。はっきり言って「リスクを取らない人のほうが偉くなる傾向が強い」とさえ私は見ています…
抜粋しすぎました。どうしてもお伝えしたい内容が多くて。。。
なにが一番良いって、内容もさることながら、おふたりのテンポがとても良い。
それぞれが経験と伝えたいことをズバッと明快に書き進めているため、集中して楽しく読める。
それゆえに胸にグサッグサッとくる内容が盛りだくさん。
頑張って成功したプロジェクトが、実はひとりよがりで逆行している内容だった…
生き方を見つめ直す良い機会に出会った。もう一度読み直そう。
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■参考サイト
新井 紀子 – 情報社会相関研究系 – 研究者紹介 – 研究 – 国立情報学研究所https://www.nii.ac.jp/faculty/society/arai_noriko/
ぐっちーさん | 著者ページ | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
https://toyokeizai.net/list/author/%E3%81%90%E3%81%A3%E3%81%A1%E3%83%BC%E3%81%95%E3%82%93
ぐっちー – 朝日新聞出版|AERA dot.
https://dot.asahi.com/keyword/%E3%81%90%E3%81%A3%E3%81%A1%E3%83%BC/
タイトル:日本を殺すのは、誰よ!
著 者:新井紀子、ぐっちーさん
発 行:2018年12月25日
発行所 :東邦出版株式会社
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