2018年11月のさと、うま 空き家を活かす@松村秀一

いまさらですが、サンフロンティアグループは既存の不動産を再生していく事業を行っている。
戸建て住宅、ではなく東京都心・ビルに特化した事業を行っているため、実は「空き家」という問題は知りつつも、あまり向き合う場面が少ない。

5年に一度調査が行われている統計局のH25年住宅・土地統計調査を開いてみた。
総住宅数6063万戸のうち、13.5%の820万戸が空き家とある。
平成25年住宅・土地統計調査(確報集計)結果の概要
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2013/pdf/kgiy01.pdf

さらに野村総合研究所の資料によれば、2033年には空き家率は30.4%になると予測されている。
https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/knowledge/report/cc/mediaforum/2016/forum236.pdf?la=ja-JP&hash=BF1F98E7000D2B08033E0580AA6663DC4544E3C8

これは両隣りが空き家ということであり、とても大きな数字だと改めて実感する。

著者は建築計画、都市計画、まちづくりの第一人者である、東京大学大学院特任教授の松村秀一氏。
著者のいう「空間資源」を利用し、雇用、売上、街の活気、まちづくり、そして携わる方々の想いがたくさん綴られている。
廃校、シャッター街、古民家、寺院・・・
文章よりもホームページがあるものは、こちらをご参考いただきたい。

アーツ千代田3331
https://www.3331.jp
長野・門前町のリノベーションまちづくり、新局面に | 日経 xTECH(クロステック)
https://tech.nikkeibp.co.jp/kn/article/knp/column/20150717/706530/
ゴーストタウンを新しいまちに変えた、 エリア価値を高める物語 エリア再生/問屋町
https://re-re-re-renovation.jp/projects/1331
三草二木西圓寺温泉
http://www.bussien.com/saienji/spa.html
ホシノタニ団地 – 小田急×blue studio リノベーション賃貸共同住宅
https://www.odakyu-fudosan.co.jp/sumai/mansion/hoshinotani/about.html

文中、著者のこのような言葉に惹かれた。

日本のまちの大部分は1棟あるいはせいぜい数棟の、しかもここには小さな土地と建物しか所有していない、いわば「小さな持ち主」の所有する空間資源によって構成されている。
このように小さな空間資源のたった1つだけにでも新しく小さな物語が挿入されると、周辺の小さな持ち主も動き始めることがある。
そうなると、大きな土地と建物が変わるのとは異なり、一気にではなく、徐々に徐々にまちが変わり始め、いつの間にかまち全体が新しく豊かな生活の場に姿を変えることになる。

街を見渡すと、そこには著者の呼ぶ「空間資源」が視界いっぱいに広がる。
ひとつひとつを丁寧に、真剣に。
改めて街と向き合う、良い機会に恵まれた。

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■参考サイト
統計局ホームページ/平成30年住宅・土地統計調査
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/index.html

ReReRe Renovation!
https://re-re-re-renovation.jp

タイトル:空き家を活かす 空間資源大国ニッポンの知恵
著  者:松村秀一
発  行:2018年11月30日
発行所 :朝日新聞出版

CS さと、うま