2019年4月のさと、うま 世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉

ホセ・ムヒカ。
この本と出会うまで、正直全く知る機会がなかった。

ウルグアイの首都モンテビデオの貧しい家庭に育ったムヒカ氏は、

ゲリラ組織で誘拐や襲撃を行い、4度の逮捕を経験。
出所後に政治団体を設立し、議員として活動をはじめる。
2009年の大統領選で現職の大統領を破り、75歳のときにウルグアイの第40代大統領として約5年間をおくる。

「ウルグアイ」で思いつくのはアルゼンチンとブラジルに挟まれた南米の国で、FIFAワールドカップ初代優勝国。
GDPも南米ではもっとも高く、一人あたり16,941USドル。

いったいこの国にはなにがあったのか。
ムヒカ氏とは一体何ものなのか。
この本だけではすべてを知ることはできないが、ひとつあるとすれば、ムヒカ氏の言葉のストレートさ。
心にすんなりと入ってきた。
特に心に残ったいくつかを抜粋する。

「私は消費主義を敵視しています。現在の超消費主義のお陰で、私たちはもっとも肝心なことを忘れてしまい、人類の幸福とはほとんど関係のないことに、人としての能力を無駄使いしているのです。」

「スーツケースはいつも軽めで必要なものだけ。物を持つことで人生を複雑にするより、私には、好きなことができる自由な時間のほうが大切です。」

「人生はもらうだけでは駄目なのです。まずは自分の何かをあげること。どんなにボロクソな状態でも、必ず自分より悲惨な状態の人に何かをあげられます。」
(2014年12月南米諸国連合会議でのスピーチより)

「人生ではいろいろなことで何千回と転びます。愛で転び、仕事で転び、いま考えているその冒険でも転び、実現させようとしている夢でも転びます。でも、千と一回立ち上がり、一からやり直す力が、あなたにはあります。」
(2014年12月南米諸国連合会議でのスピーチより)

本人は官邸にも住まず、倒れそうな農場でたった2名の警備員だけを置き、執事や家政婦も雇わず、大統領専用車も使わない。
資産の90%を寄付し、残りは農業学校設立にあてるという。

欲にも様々あるが、特に欲しいモノを持ちたいという物欲は、モノに溢れた日本においてはとても身近なこともあり、何かの目標にもなりやすく、豊かさの象徴のひとつだろう。
しかし、ムヒカ氏の言う通り、物欲は選択する必要があるため、人生を複雑にする。

時代はモノからコトへ。
意識は所有からシェアへ。
物欲からマズローの唱える自己実現欲へ。

ヒトはこの数年で大きく変わったのかもしれない。

しかし「言葉」には、そのヒトの生きざまが反映されていると改めて感じる書であった。

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■参考サイト
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タイトル:世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉
著  者:ホセ・ムヒカ
発  行:2015年7月15日
発行所 :双葉社

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