災害時や突然のトラブルに対するオフィス防災の項目として、停電への備えも重要な項目として挙げられます。
停電が発生すると業務の停滞や環境の悪化、業種や場合によっては生命に関わる可能性もあります。
オフィス防災のひとつとして、非常用電源の重要性についてあらためて考えてみましょう。
オフィスで電気が使えないとどうなるか
現代で大規模な停電が起こる可能性として考えられるのは災害です。
首都圏のオフィスでは、東日本大震災で電力不足による計画停電を経験している方も多いのではないでしょうか。
もし、オフィスで停電が発生した場合、下記のようなことがおこりえます。
- オフィスビル内の照明が消える
- エレベーターやエスカレーターの停止
- 業務で利用する電源接続のP Cや社内サーバなどの電気機器類の強制停止や切断
- 電話やインターネットなどの通信機器が使えず、会社内部や外部との連絡が取れなくなる
- 空調停止による室温上昇・低下でおこる社員の体調面へのリスク
- 水を供給する給水ポンプの停止や断水
このような状況に陥ってから問題に対処する場合、通常の業務に戻るまでに大変な時間が必要になることもあります。
非常用発電設備が助けるオフィスビル環境
一定の基準に達したビルには非常用発電設備を設置・保守するよう、建築基準法と消防法で定められています。
時勢に伴って、最近のオフィスビルは災害時に備えた非常用発電設備のある物件も増えてきました。
その非常用発電による電力はどのように供給され、使われているのでしょうか。
まず、消火栓やスプリンクラーなどの消防設備、避難経路を確保するためのエレベーターなどの設備へ電力供給がおこなわれます。
非常用発電設備は防災の観点から用意されているため、命を守るための設備へ優先的に供給され、その次に各オフィスへの照明や空調、機器への電源に供給されます。
そのため、非常用発電設備が整えられているビルでは、上記のような災害時の問題を回避できる可能性が高くなります。
小型の非常用電源の備えについて
防災面を考えてオフィスを選ぶ際には、非常用発電設備が整えられているビルを選ぶのは一つの方法です。
もし非常用発電設備がないビルの場合は、オフィスにポータブル電源や小型発電機などを非常用電源として設置することも選択肢の一つでしょう。
オフィスの規模や用途、使用する電子機器などによってオフィスに必要な非常用電源を選びましょう。
1.必要最低限の場合
必要最低限な機器の稼働には、約900Whほどの電力量でまかなえます。
2.最低限の業務が必要な場合
最低限の業務をおこなうのであれば、1500Wh~1800Whあると安心です。
照明や通信機器などに必要となる電気量は下記の式にて求めることができます
消費電力(W)×使用時間(h)=電力量(Wh)
一般的な消費電力だとスマートフォンは1台あたり15W~30W、ノートパソコンは20〜30W、デスクトップパソコンは50W~150Wです。
業務内容や使いたい機器によって必要な消費電力は変わり、大型の機器を動かせば動かすほど高い電力が必要です。
停電は自然災害をはじめとしたさまざまな要因によって引き起こされます。
いざという時の被害を鑑みて、防災としての非常用電源を改めて検討してみてはいかがでしょうか。