オフィスの移転は企業にとって一大プロジェクトともいえる大仕事です。
事前に入念な計画を立てておかなければ、思わぬところで計画が狂い、引越し早々トラブルが起きてしまう可能性も。
とくに、日にちに関する手続きの中には法的なものもあるため、絶対にトラブルを避けたい項目です。
オフィス移転に費やすべき期間は?
オフィス移転は、計画を立てるところから始まります。
企業の規模や社員数、移転先の規模にも左右されますが、できれば半年前からの計画が望ましいでしょう。
場合によっては、それ以上の期間を費やしてもよいほど、オフィス移転は幅広く細かい計画や対応が必須です。
まずは移転先への移動希望日と賃貸管理会社や家主への解約通知をいつするのか、そこを確認することからおおよその必要な期間を見積もりましょう。
その間に引越し業者や内装業者などの選定、移転先のレイアウト作成、オフィス機器の移動、電話・インターネット回線の移設、退去後の原状回復工事の手配など事細かな計画が求められます。
また移転の時期が引越しの繁忙期と重なるとさらに手配に時間がかかることがあります。万事先取りするつもりで手配を進めていく心づもりでいましょう。
移転日前に必ず意識しなくてはならない日にちとは
企業がオフィスを構えるにあたり、さまざまな法律が関わります。
建築基準法・消防法・労働衛生法の3つは、法務部がある企業ならそちらと連携しておこなうべき重要な法律です。
とくに消防法に関しては、移転後では間に合わない届け出があります。
会社の規模や移転先のオフィスによって必要な届け出は異なりますが、オフィス移転日前には移転先の管轄消防署に届け出をしなくてはならず、その日にちは厳密に決められています。
造作工事(室内レイアウト工事)開始日の7日前
- 防火対象物工事等計画届出書
オフィス移転日の7日前
- 防火対象物使用開始届出書
- 防火・防災管理者選任・解任届出書
- 消防計画作成・変更届出書
これらの届け出を忘れてしまうと、消防署から注意を受けてしまいます。
防火対象物工事等計画届出書は、新オフィスのレイアウト工事前に出さなくてはならないため、日程によってはかなり早めの対応が求められるでしょう。
また、防火・防災管理者選任・解任届出書、消防計画作成・変更届出書の提出が必要な場合は、まず防火管理者となるものが防火・防災管理講習を受講していなければなりません。選任されるものが受講しているかは前もって確認しておきましょう。
移転作業全体の流れには、法的な届け出の提出期限を組み込み、いざという時に慌てないよう入念な計画を立てることを強くおすすめします。