2019/08/22日本の雇用制度・システムの特徴とは?

日本で仕事をする際には、日本の雇用制度の中で仕事をするケースがほとんどです。この日本独自の雇用制度は長らく「当たり前のこと」と考えられてきました。しかし、国際化や労働人口の減少が進む中で、今までの制度では対応できないようになってきました。

今回は、従来の日本で「当たり前」と捉えられてきた、特徴的な3つの雇用制度について紹介します。

終身雇用制度

日本型雇用制度の特徴の一つと言われるのが、終身雇用制度です。もともとは、高度経済成長の時代に、優秀な人材を長く自社に引き留めておきたいという思いから作られた制度でした。働く側にとっては、一度会社に入社してしまえば、定年までずっと働き続けられる安定性の高さという最大のメリットがあります。

またメリットがある一方で終身雇用では雇用関係が固定化しやすく、一度会社を離れると次の仕事を見つけるのが大変だというデメリットも存在しています。

長く続いた経済不況から終身雇用制度の維持は難しくなってきており、もはや崩壊しつつあると言われることも少なくありません。

新卒一括採用制度

終身雇用制度とセットで考えられてきたのが、新卒一括採用制度です。学校を卒業したばかりの人材を確保し、そのまま定年まで勤めてもらうというスタイルが、日本社会の中では長く「当たり前」とされてきました。

企業側が新卒採用にこだわる理由は、「他社を知らない若者の方が、自社の方針を受け入れやすい」と考えるからです。とはいえこちらも新卒で就職できなかった場合や、転職を希望する場合などに、受け入れ先が減少してしまうというデメリットも存在しています。

年功序列システム

年功序列システムは、仕事の成果ではなく、勤続年数や年齢によって賃金や役職が上昇する人事制度のシステムのことを言います。長く働けば働くほど、仕事に対する知識や経験は豊かになっていきます。会社に対する貢献度も大きいだろうという考えのもとで、日本企業において、長く採用されてきました。

しかしながら、会社への成果や貢献度に対しての評価が得られにくく、有能な若手の人材ほど流出しやすく、組織の硬直化が進みやすいというデメリットもあります。右肩上がりの景気が続かなくなった現代においては、年功序列システムの維持は難しく、成果主義へと変化の波が押し寄せていると言ってもよいでしょう。

日本企業における独特な雇用制度は、ほかにもいくつもありますが、今回紹介した3つの制度について言えば、法律で何らかのルールが定められているわけではありません。長く続いてきた慣例に過ぎず、これから先も保障されているものではないということを、頭に入れておきましょう。

今後の自身の働き方を考える上でも、ぜひ現在に至るまでの制度・慣例・法律にも目を向けてみてください。自分らしく働くための、ヒントになってくれるのではないでしょうか。

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