プロスポーツの世界でよく聞く「年俸」ですが、外資系の企業の給与体系としても導入されています。
また、日本ではいまだ多くの企業で月給制が用いられていますが、年俸制も徐々に採用されるケースが増加しているようです。
年俸制は月給制とどのような違いがあるのでしょうか。
メリットやデメリットについても考えてみましょう。
年俸制とは?
年俸制とは、「1年単位」で給与が決められている給与体系です。
とはいえ、1年に1度、まとめて支払われるわけではありません。
1年分として決定された給与を1ヶ月ごとに分割して支払います。
メリットは「成果を給与に反映しやすい」という点です。
個人の能力、前年度の成果などで翌年の給与を決めるので成果主義と年俸制は相性が良いといわれており、とくに成果主義が浸透している外資では年俸制が多く導入されている傾向にあります。
年俸制と月給制の違いとは?
一方、月給制は「月単位」で給与が決められている給与体系のため、企業の業績によって年間総支給額が変動する性質を持っています。
たとえば企業の業績が芳しくない年はボーナスが支給されず、年間総支給額が低くなるケースがあります。
年俸制は契約で年間の総支給額が決定されているため、そのような事態にはなりません。
また、月給制は社員の年齢や勤続年数を重視する年功主義と相性が良い給与体系です。
企業の方向性によっては、年俸制よりも月給制のほうが向いていることもあるでしょう。
年俸制と月給制は「どちらが良い、悪い」というわけではなく、企業の方向性で相性が変わるといえるでしょう。
年俸制のメリット・デメリットは?
年俸制の大きなメリットは、「契約で年間支給額が決定されているため、急な減額がない」ということが挙げられます。
前もって給与額を契約で決定しているため、企業側からの一方的な減額が不可能なのです。
そのため収入が把握しやすく、金銭的な計画を立てやすい傾向があります。
また、成果主義の企業に取り入れられやすいということもメリットのひとつです。
成果を出して上を目指したい!という人にとって、日頃の評価が大きく影響する年俸制は、モチベーションの一環になるでしょう。
とはいえ、デメリットがないわけではありません。
成果主義の企業で取り入れられやすい給与体系だからこそ、結果が残せなかった時の減収を覚悟しておく必要があります。
「確実に安定し続けた年収を」と考える人にとって、大幅な減収の可能性がある年俸制は少なからずリスクがある給与体系かもしれませんね。
しかし、自分の日頃の頑張りが確実に反映されやすいのは年俸制ならではの大きな特徴です。
仕事のやりがいを給与に反映しやすい年俸制は、ワークスタイルの選びかたによっては大きなモチベーションに繋げられるでしょう。