コンサルダイアリー第10号【私が体験した「税金での売却失敗談」】

サンブログをご覧の皆様、いつもありがとうございます。
コンサルティング室の税理士後藤です。

今月は、私がかつて体験した「税金での売却失敗談」を紹介します。
オーナー様から売却依頼された「物件概要」と主な「不安要素」は下記の通りです。

「物件概要」
土地:72坪
構造:RC造4階建
種類:居宅兼店舗
築年:2000年

「不安要素」
・希望価格と実勢価格の乖離
・土地・建物の担保価値が売却価格の50%以下 → 融資が付きにくい
・検査済証が無い → 融資が付きにくい

上記の項目等から売却は長期化するのではないかと思っていました。
しかし、タイミング良くこの場所で探されているオーナー様がおり、紹介したところ、ぜひ購入したいと言う回答を得ました。
売却活動は1ヶ月間で終わりました。
正直こんな短期間で売却できるとは想定しておりませんでした。

ここで終われば成功体験ですが・・・この後に何と大きな落とし穴として、事前に解決したと思っていた「税金の問題」が発生してしまいます。

なんと売却物件は税金を繰り延べる「事業用資産の買換特例」を使って購入していたため、当初見積もっていた税金の額約100万円から大幅に跳ね上がってしまいました(約50%繰延)。
※事業用資産の買換特例の詳細は、国税庁のHPを参照ください。

事前に税金計算する際、オーナー様の顧問税理士に確認したのにもかかわらず・・・しかも所有期間が10年未満だったため、もう一度、買換特例を使って収益物件を購入する税金繰延スキームは利用できない状況。
まさに八方塞がりです。
仕切り直しで税金分を上乗せした売却価格で現在も買主を探している状況・・・正直利回りの低減&融資付けの厳しさにより、買主様の間口が狭まり非常に難しい状況に変わってしまいました。

もし所有している物件が買換特例を使っており、売却を検討している場合は、利益に対して多額の税金が発生する恐れがあるので、それを見越して計画する必要があります。
不明な点ございましたら、お気軽にご相談くださいませ。

コンサルティング室 ごとう
TEL:03-5521-1320