2016年4月のおおぬま ソニーはなぜ不動産業を始めたのか?~不動産流通革命に挑む挑戦者たち@茂木俊輔

2016年4月のおおぬま ソニーはなぜ不動産業を始めたのか? (480x640)『SONY』

私がまだ中学生、高校生の頃(西暦2000年初頭)、
ソニーの世界的なブランド力は現在のアップルに劣らない、いや、勝っていたはずです。

世界を席巻していたウォークマン、一家に一台プレイステーションをはじめ、
ソニーの商品に触れずに育った人はいなかったはずです。

スティーブジョブズに塗り替えられた世界で、
現在、ソニーはかつての輝きを失っているイメージを皆様も持たれているのではないでしょうか。

ソニーのHPに、以下のような記載がございます。


” 1946年の設立以来、ソニーは人々のライフスタイルを変える
 イノベイティブな商品を生み出し続けてきました。 
  そこには、世界を相手に、まだないものをつくりあげるというチャレンジ精神、
  人々に喜びや感動を提供したいという強い意志がありました。 
  これは、60年以上経った今もなお受け継がれているソニーのDNAともいえます。”


そうです!

まさに今のアップルやスティーブジョブズに日本人が抱くイメージこそが
本来のソニーの姿だと思います。

世の中には今、携帯、据え置き、ネット、アプリと様々なゲームがあると思いますが、
一番の衝撃はプレイステーションの登場であったと言われております。(2ちゃんねる調べ)

『世の中を良くしたい!』という純粋な志、DNA、それを体現する力がソニーの強さなのです。

2014年、<ソニー×不動産>という文字がメディアを賑わせた時期がございました。
不動産業に携わる私としては、非常に興味をそそる事象でした。

本書の内容としましては、まず、前提知識としての、
不動産業界がおかれている状況、慣習がわかりやすく解説されています。

そのうえで、ソニーが不動産業界に参入した経緯、参入のため戦略が解説されています。
特に、ソニー不動産設立にあたって、「人」にフォーカスがされています。

西山社長の創業への熱意、そして、会社設立にあたっての人材獲得、
サービスを提供する上での人材育成戦略などを読むと、
不動産仲介は「人」によってなりたつサービス業だときづかされます。

タイトルは、「ソニーはなぜ不動産業を始めたのか?」ですが、
読んでみると、西山社長は、なぜ不動産業を始めたのか?
というタイトルにした方がいいのではと思うほど、不動産業にかける熱意が伝わってきます。

日本を代表する大企業の社内ベンチャー、得意のエレクトロニクス分野とは違う異業種への取り組み、
メディアからも迷走と言われる中でも、一人の人間の熱意を受け止めたソニーという会社の
今なお受け継がれているDNAを感じさせる内容です。

不動産に携わるプロの方々が読めば、真新しさを感じさせる戦略ではないと思いますが、
本書のタイトル通り、なぜソニーが不動産業なんだ?という疑問は解消されるかと思います。

是非、ご一読ください。

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タイトル:ソニーはなぜ不動産業を始めたのか?~不動産流通革命に挑む挑戦者たち
著  者:茂木俊輔
発  行:2014年12月24日
発行所 :日経BP社

RPおおぬま