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業種:ベンチャーキャピタル
2026.01.15

PR×投資、二刀流のプロが語る。スタートアップが成長し続けるためのオフィス戦略

PR×投資、二刀流のプロが語る。スタートアップが成長し続けるためのオフィス戦略
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ベクトルグループでPRと投資の二刀流を担う西海翔氏。数多くのスタートアップを支援する中で見えてきた、オフィス選びの本質とは。投資先企業の成長を間近で見続けてきた西海氏が、スタートアップの「オフィス環境」について、具体的なエピソードを交えながらお話を伺いました。
企業プロフィール
  • 社名:株式会社ベクトル
  • ウェブサイト:https://vectorinc.co.jp/
  • お話を伺った方西海 翔さん(株式会社ベクトル PRコンサルタント兼投資担当)
  • 経歴:2018年 株式会社ベクトルに新卒入社。PRコンサルタントとして企業の広報支援を行いながら、投資業務を担当(4年間)。スタートアップへの投資判断、ソーシング、投資先企業との定期的な面談を通じて、成長企業の実態を見続けている。
西海様が考える移転のポイント
  • 一定のトラクションが生まれる→オフィス契約→採用強化の成長サイクルを回す
  • 新着物件は1週間で入居が決まる。だからこそ「Officci」で住所・価格を事前確認し即断即決
  • オフィス移転を「成長の証」とし、エンゲージメントと組織の結束を強化
セットアップオフィスによる効果
  • 敷金・内装費・原状回復費において数百万円のコスト削減を実現
  • ワンフロア増床・同ビル内移転で通勤エリアを変えず組織の一体感維持
  • 前入居者ノウハウの蓄積で電源配置・ブース数など使いやすさが向上

オフィスは「本音でぶつかり合える場」

オフィスは「本音でぶつかり合える場」

―― 西海さんは、これまでPRと投資の両面からスタートアップを見てこられましたが、スタートアップにとって「オフィス選び」はどのような重要性を持つと思いますか。

西海さん:コミュニケーションや何かを生み出すという点で、トップダウンの企業では成長スピードが滞る側面があります。そのため、分け隔てなく「本音でぶつかり合える場」があることが重要だと思っています。

スタートアップは創業から3年や5年と、事業基盤がまだ確立されていないフェーズが長く続きます。だからこそ、同じ場所でともに時間を過ごすことが、業務効率の向上やクオリティを高める観点でも不可欠です。

――投資先企業のオフィス環境を見る中で、成長に与えた具体的な影響はありましたか。

西海さん:私が経験則として感じているのは、きれいで良いオフィスを構えた会社は成長傾向があるということです。因果関係はさておき、両者には相関関係があるんですよね。

採用活動のフェーズにおいて、良いオフィスが「ここで働きたい」と思わせる重要な要因となります。また、それは会社としての「後戻りできない」という覚悟を示すことにもなります。多くの企業では、ある程度の利益が出たタイミング、そこから採用を強化して大きく成長していきます。

――業種によっても、求められるオフィス環境は違いますか。

西海さん:全く違います。クリエイティブな仕事であれば暖色の照明で落ち着いた雰囲気が良いと言う経営者もいますし、開発系の会社なら開発環境をカスタマイズしやすい設備が必要と捉える方もいます。その企業の成長に合ったオフィス環境を見極めることが大切だと思っています。

オフィスのレイアウトの中にはその会社が成長するためのこだわりが多く詰まっている会社を多く見ます。初めてのオフィス環境づくりでは、経験がないので失敗することもありますよね。「もっとこうすれば良かった」と後悔する経営者は少なくないですが、なかなか知見として共有される場がないのが実情だと思います。

判断基準が見えない不動産業界の「不透明さ」

判断基準が見えない不動産業界の「不透明さ」

――初期フェーズで「オフィスにかけすぎるリスク」と「かけなさすぎるリスク」のバランスをどう見ていますか。

西海さん:「かけすぎる、もしくはかけなさすぎるかの基準がわからない」というオフィスの費用に関する基準がないのが現状です。スタートアップでの経営は、成功者を真似するプロセスが多いですが、オフィス領域には「正解本」が存在しません。

例えば、社員10人規模で月額家賃50万円が高いのか安いのか、社員1人あたり5万円という計算が妥当なのかは、判断が難しいところです。似た業種の企業を参考にしても、見積もりが意外と高くつくため、予算に合わず入居できないケースも少なくありません。

結果として、オフィス選びに時間をかけた結果、無駄になることもあります。このため、「スタンダードの基準を導ける存在」が必要だと思っています。

――スタートアップ経営者が正しい情報にアクセスできない問題について、どう感じていますか。

西海さん: 慣れていない方にとっては、不動産の賃貸は情報が非常に不透明な世界で、実際に会って話してみないと金額感がわからないこともよくあります。

スタートアップ経営者には不動産の知識を勉強する時間すらありません。そのため、「Officci(オフィッチ)」などのオフィス探しの情報サービス(※1)を利用し、オンラインで物件情報や金額感を事前に把握できることは、スタートアップにとって大きなメリットです。住所、坪数、月額賃料が明記されていれば、複数物件を比較検討する際の判断材料の一つになるからです。

(※1)一部の物件では、入居企業への配慮から詳細情報を非公開としている場合があります。

セットアップオフィスが選ばれる理由

セットアップオフィスが選ばれる理由

――セットアップオフィスを選ぶ企業が増えている背景について、どう感じていますか。

西海さん:成長している企業ほど、メンバーの増減が速いものです。人員削減を選択する会社もあれば、翌年に20人規模の採用が必要になり初期費用を回収できずに移転せざるを得ない会社も存在します。

これは本来企業にとって「喜ばしいこと」なんですよ。予測を超える成長を遂げている証なのですから。ただ、通常のオフィスでは初期費用の回収前に移転を余儀なくされるケースもあります。セットアップオフィスは、このような成長フェーズにある企業にとって、最適な選択肢だと思っています。

―― セットアップオフィスが、通常のオフィスと比べて特に優れている点は何ですか。

西海さん:初期費用の大幅削減です。通常のオフィスの場合、敷金が家賃の6カ月から12カ月分、礼金が1カ月から2カ月分かかるのが一般的です。例えば、月額家賃50万円の物件なら、敷金だけで300万円から600万円が必要になります。

また、通常のオフィスだと、退去や移転の際に椅子やデスクの処分・調達にコストがかかります。スタートアップのコミュニティを見ていると、オフィス移転のたびに家具の処分や譲渡に苦労している様子がよく見られますね。

一方、セットアップオフィスの場合だと、敷金・礼金が通常より抑えられて、物件によっては敷金3カ月分程度で済むケースもあります。また、物件によっては原状回復自体そのものが含まれていないので、退去時の手間やコストもかかりません。最初から家具や備品がそろっているので、デスクや椅子、会議室のテーブルなどを購入する費用も処分費用も抑えられます。

それから、不動産会社側に「前のスタートアップがどう使っていたか」というノウハウが蓄積されているのも大きなメリットです。スタートアップ特有の使い方を理解したうえで、より使いやすい環境に整備された物件が提供されます。

――経営者からよく聞く「セットアップオフィスを選んで良かった」という声には、どのようなものがありますか。

西海さん:セットアップオフィスは、複数の企業が入居できる環境も侮れないポイントです。経営者は孤独になりがちですが、同じビルに他のスタートアップ企業が入居していることで仲間が見つかり、助け合える環境が生まれることがあります。セットアップオフィスのメリットは、敷金・礼金と初期費用の削減と、仲間が見つかる環境の2つですね。

レイアウトをあまり考えずに「とりあえず借りてスタート」できる点も、セットアップオフィスの魅力の一つです。通常のオフィスだと、内装工事に2カ月から3カ月かかることもありますが、セットアップオフィスなら工事を待たなくてもいい分、早期の入居ができます。事業の基盤が固まり、必要な人員が見えてきたタイミング、例えば社員が30人を超えたあたりで、自社に合った形で改めてオフィスを構えればいいんです。

成長の「うれしい悲鳴」と経営判断の難しさ

成長の「うれしい悲鳴」と経営判断の難しさ

――オフィス移転や退去に関して、経営者が苦労したエピソードを聞いたことはありますか。

西海さん:そうした苦労の多くは、実は「うれしい悲鳴」という形で現れます。具体的に言いますと、人員が増えすぎて移転を考えざるを得ない、といった状況ですね。そうなると、自社の利益をどこまでオフィス環境に投資するべきかというのが、経営者としての悩みになります。

例えば、月額家賃を30万円から60万円に上げるべきかといった判断です。人員が増え、人件費を払える利益が発生することは、「うれしい悲鳴」ですが、その反面、経営者にとってコストがさらにかかるという負担も生じます。社員のための大事な環境整備とコストカットの塩梅をどう図るか。将来の成長曲線を描くために、経営者が悩みながらも判断しているのが実情です。

――成長速度と固定費のバランスについて、経営者と社員で優先順位が異なる問題はありますか。

西海さん:あります。最終判断をする経営者は費用対効果を最も重視します。例えば、「月額家賃50万円で売上に対して何%の固定費になるか」という計算をするんです。

一方、社員は「立地の良さ」や「働きやすさ」を重視します。オフィス選定を委ねられた担当者が「駅から徒歩10分以内が必須」という条件を出していても、経営者はそれを把握しきれていないケースもあります。

経営者は「駅から徒歩15分でも、賃料が10万円安い方がいい」と思っても、社員は「毎日の通勤となると駅近がいい」と望みます。このように、経営者と担当者では、優先順位が全く違いますよね。

――大企業とスタートアップでは、オフィス選びの考え方が違いますか。

西海さん:大企業の場合、「大は小を兼ねる」という考え方で大きなスペースを確保できるケースもあるかと思います。しかし、予算の余り分を少しでも事業開発に充てたいスタートアップは、ミニマムの予算で進めることを求めます。

例えば、30人用の物件を20人で借りると、使っていない10人分の賃料が毎月「垂れ流し」の状態になります。こうした無駄を省き、「ジャストサイズ」を求めるほどマッチングは難しくなりますが、その部分を解決できるのがセットアップオフィスの柔軟性です。

セットアップオフィスの短期契約や増床・減床のしやすさが、先の読めない「成長の不確実性」にうまく対応できるんですよね。その点が高く評価されている理由なんですよ。

投資家が見る「コミュニケーションの場」としてのオフィス

投資家が見る「コミュニケーションの場」としてのオフィス

――ベンチャーキャピタル側から見て、経営者がオフィスに求める「最も大事なこと」とは何だと思いますか。

西海さん:コミュニケーションのしやすさを重視する企業が多いですね。リモートワークで全員が仕事できる時代ですが、経営者たちは30分おき、1時間おきに打ち合わせが詰まっています。その合間の5分や10分でコミュニケーションが取れるのは、同じ環境にいるからこそなんです。

例えば、対面で「さっきの案件だけど」と声をかけて30秒で確認できることが、オンラインとなるとチャットでメッセージを送って返信を待つと往復で10分かかることがあります。確認事項や業務連絡、関係性を築くための雑談といった小さなコミュニケーションの積み重ねが、ビジネスをより円滑にするために重要な役割を果たしているんですよね。

――コロナ禍を経て、オフィスの必要性についての考え方は変わりましたか。

西海さん:コロナ禍では「全部リモートワークでいいよね?」という声が多かったんですが、今では「オフィスを構えるほうがいい」といった風向きへと変わってきています。大手コンサルティング会社の中には、コンサルタント業で打ち合わせがタイトに入るような職種でも、オフィス出社を重視する動きが出てきているんです。合間の時間でのコミュニケーションの価値が、再度見直されていますよね。

――投資家の視点から見て、成長企業とコミュニケーションの相関について感じることはありますか。

西海さん:私の経験則ですが、コミュニケーションが活発な企業ほど、成長傾向があると感じています。フルリモートで対応するプロフェッショナル集団という会社も存在しますが、イノベーションの創出や新しい市場に挑戦するといったクリエイティブ型の企業にとっては、同じ空間で働くことが重要です。日々議論を重ねて、成長していくことが大切ですから。

――セットアップオフィスを活用している企業を投資家の視点から見た時、どのような安心感や期待感がありますか。

西海さん:投資判断において、オフィスの有無自体が企業としての評価を左右することはありません。ただ、投資先を訪問する際の安心感はありますね。特にBtoB企業のような実績がまだ少ない中で営業をして契約を獲得している場合は、オフィスを構えることで信頼度がより高まっているケースもあるかと思います。

また、これはビジネスモデルにもよりますが、新入社員を採用し、メンバー育成が必要となる段階、例えば新卒を5人以上採用する規模になった場合、リアルの場となるオフィスを構えるのは教育的観点で必要だと思います。

経営者のリソースを本業に集中させる

経営者のリソースを本業に集中させる

――スタートアップにとって「オフィス選定の時間」は重大な経営リスクになり得るのでしょうか。

西海さん:スタートアップ経営者はやることが本当に膨大です。信頼できる不動産会社に任せて、お金回りの最終判断をするというのが良いと思います。

経営者はオフィス選びの実務を信頼できる人に委ねて、事業開発や資金調達、営業活動といった本来注力すべきコア業務にリソースを集中させることが必要です。

――タイミングを逃さないことも重要ですか。

西海さん:はい、重要です。オフィス選びはまさに「タイミングの側面」があります。Officci(オフィッチ)のような情報透明化サービスで、新着物件をこまめにチェックすることが重要です。実はスタートアップの入れ替えは頻繁に起きていて、想像以上のスピードで空き物件が出てくるものなのです。

優良物件であれば1週間、早ければ2〜3日で成約してしまうので、自社の条件に合う物件が出たらすぐ押さえられるよう、日頃から社内メンバーとコミュニケーションを取る必要があります。

例えば、「駅徒歩10分以内」「月額家賃50万円以内」「20人規模」など、どのような物件・条件であれば契約を決められるかという基準を、社内で事前に決めておくことが大切です。

――投資家として、オフィス選定に悩む創業者へ向けて、「長期的に最適な意思決定」をするためのアドバイスは何ですか。

西海さん:信頼できるパートナー選びが重要だと思います。私は、不動産業界に特別明るいわけではありませんが、一緒に仕事をしていく中で感じるのは、担当者がどれだけ親身になって対応してくれるかです。

不動産は出せる物件が横でつながっているので、どこの会社も最終的に同じものが出せるんです。差別化要素はコミュニケーションの取り方とスピード感なんですよね。

自社の事業を理解して、興味を持って応援してくれる人を選ぶこと。複数社の話を聞いて、中長期的に一緒に考えてくれる人を見つけることが大切です。オフィス環境の変化は、従業員の離職率にもモチベーションにも影響しますから、今の自社のフェーズを見極め、みんなの合意を得たうえで、より良い環境を選ぶことが求められています。

スタートアップの成長を支えるエコシステムの一部として

スタートアップの成長を支えるエコシステムの一部として

――今後、日本におけるスタートアップのオフィス環境はどのように変化していくと思いますか。

西海さん:企業の絶え間ない成長なくして、スタートアップとして戦い続けることはできません。海外のスタンダードを見れば、躍進する企業は環境をアップデートし、フェーズに合わせて段階的に規模を拡張させています。同じ場所に留まるのではなく、自社の発展とともにその領域を広げているのです。

固定費を抑える考え方もありますが、投資を惜しまないことで成長するビジネスモデルやカルチャーもあります。事業の拡大に伴い環境のアップデートを必要とする企業は、必要な投資をすべきだと思っています。

――コロナ禍とアフターコロナで、オフィスの意味づけはどう変わりましたか。

西海さん:コロナ禍では、合理的なビジネスを生み出すスタートアップが増えて、スモールビジネスとして成立する事業が増加しました。一方でイノベーションを創出するビジネスは少し減っている印象を受けていました。今を振り返ると、その当時は密なコミュニケーションをあまり必要とせず、スキルを掛け合わせれば成立する事業が少し多かったように思います。

しかし、アフターコロナの今、生成AIやWeb3など未知の領域での起業も増えていると思います。アイデアと実力が勝負の時代へと移り変わったことで、ディスカッションできるコミュニティの場が必要になってきました。

イノベーションはオンラインでは生まれづらいものです。オフィスを「コミュニケーションを取る場所」として再定義する動きが強まっているので、そういう観点では「おしゃれなオフィス」が増えているのも納得できますよね。

オンライン商談とオフライン商談を比較すると、意思決定の瞬間に相手の表情やニュアンスを読めることの重要性は大きいと思います。その場のライブ感によって、ビジネスの成否を分けることもあるんですよね。

――セットアップオフィスが果たす役割について、どうお考えですか。

西海さん:セットアップオフィスは、スタートアップエコシステムの「循環」を支える役割があると思っています。5人のオフィスから10人、20人、30人へと規模を拡大させながらオフィスを移転する。先に入居していたスタートアップが、次のフェーズに進み、空いた場所に、新しいスタートアップが入居するといった流れですね。

このような「先輩」が「後輩」に道筋を示すという流れが、国力を高めるために不可欠です。初期コストの負担を抑えることで、「循環」が早まり、スタートアップのサステナビリティが高まります。これは日本全体のイノベーション創出にもつながるはずです。

――最後に、これからオフィスを探すスタートアップの経営者に向けてメッセージをいただけますか。

西海さん:超合理主義に走ったらオフィスはいりません。コロナ禍では「月額50万円以上の賃料はいらないのではいか」という議論もありました。しかし今は、「人に投資する」という考えが戻っている傾向があると思います。その考えの一つの要素として、「オフィスへの投資」というものもあります。

目先の利益に左右されがちですが、オフィス選びはライフステージにおけるイベントであり、スタートアップを大きくしていくための不可欠な投資だと思います。

あくまで私の感覚値ですが、成長に合わせてオフィスを移転する企業のほうが、結果的に利益を見出しているケースが多いですね。オフィスが「成長のプロセス」として重要な役割を果たしているのです。

情報の透明化を活かし、柔軟性とコミュニケーションを最優先に考えること。そして信頼できるパートナーを見つけて、長期的な視点でオフィス選びをしてほしいと思います。

―― ありがとうございました。

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