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その他
業種:スタートアップ支援
2026.04.03

“リビングプレイス”としてのあり方が人の前向きな挑戦を促す。セットアップオフィスが実現するマインドコストの削減

“リビングプレイス”としてのあり方が人の前向きな挑戦を促す。セットアップオフィスが実現するマインドコストの削減
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「(共に)進化の中心へ」をミッションに掲げ、成長産業支援事業を展開するフォースタートアップス株式会社。同社代表の「豊かな日本を次世代に残したい」という想いからスタートアップ企業への人材支援やオープンイノベーション支援などを展開する同社では、オフィス環境においても独自の哲学を持っています。

単なる作業場としての「ワークプレイス」ではなく、ミッション・ビジョンに集う社員にとっての人生の舞台ともいえる「リビングプレイス」としてのオフィスとは何か。そして、急成長するスタートアップ企業が直面する「マインドコスト」の課題と、セットアップオフィスの活用価値について、現在入居する麻布台ヒルズへの移転プロジェクトを推進し、創業期よりコーポレートブランディングを担当されている石橋 宗親さんにお話を伺いました。
企業プロフィール
  • 社名:フォースタートアップス株式会社
  • ウェブサイト:https://www.forstartups.com/
  • 設立:2016年9月
  • 事業内容:成長産業支援事業(ヒューマンキャピタル事業、オープンイノベーション事業など)
  • 住所:東京都港区麻布台1-3-1 麻布台ヒルズ 森JPタワー 31F
  • お話を伺った方:CEO室 Experience Designer / Brand 石橋 宗親さん
  • 経歴:明治大学卒業後、戦略デザインコンサルティング会社でCI・ブランド戦略に従事した後、複数企業でデザイナー・クリエイティブディレクターを歴任しました。2018年よりフォースタートアップス株式会社に参画。同社の社名変更に伴うリブランディングに始まるブランドデザインを推進し、メディアや新しいプロジェクトの立ち上げ、国内外のデザイン賞を受賞した本社オフィス移転などを牽引しています。

取材の前編はこちら

オフィス移転の課題
  • オフィス移転に伴う膨大な意思決定が、経営者や担当者の「マインドコスト」を奪う
  • 急成長する組織において、採用ブランディングと企業文化の醸成を両立させる場が必要
  • 不確実性の高いスタートアップ経営における、最適なオフィス投資のバランス
オフィス移転のポイント
  • 場の「意味」を創造することが、他社との差別化につながる自社固有のブランド価値に
  • セットアップオフィスの活用により、スピード感のある事業展開とコスト最適化を実現できる
  • 個が活躍する生活舞台としての「リビングプレイス」の考え方で人の前向きな挑戦を促す
採用競争力を高める舞台としてのオフィス。人の無限大の可能性を引き出し、自己実現できる環境が、組織の成長を加速させる

採用競争力を高める舞台としてのオフィス。人の無限大の可能性を引き出し、自己実現できる環境が、組織の成長を加速させる

—— スタートアップの成長要因として、オフィスという「場」はどのような役割を担っているとお考えでしょうか。

石橋さん:優秀な人材を集める上で、働く側にとってその場所が企業のミッション・ビジョンや価値観などと整合性があるかだけでなく、自分の人生の時間を投下する意味があるか、自らの志が実現できる舞台であるかは重要な視点です。

もちろん、創業期はマンションの一室やガレージのような場所が良いという方もいますし、そこから大きくしていく過程が面白いという人もいるでしょう。しかし、ある程度まで組織が拡大し、採用を拡大していくフェーズにおいては、採用競争の中で優秀な人材が「ここで働きたい」と思える環境を用意することは重要になります。

つまり、ただオフィスがあれば良いわけではなく、そこで「私たちは何者で、何を成し遂げたいと考え、そのためにどんな文化を形成しているか」が問われるようになるのです。例えば私たちのオフィスの入り口には、800名ほどの起業家や投資家のサインが入った大きなキャンバスがあります。オフィスに訪れたゲストに対して弊社の社員がそのストーリーについてお話しすると、スタートアップエコシステムの中でフォースタートアップスがどのような存在なのかが伝わります。オフィス費用はコスト面ばかりが注目されがちですが、ただ場所や空間を作るのではなく、いかに使うかをよく考えて設計をすることで事業価値につなげるコミュニケーションツールになり得ると考えています。

「意味」のある「記憶」の物語が、共同体を形成する。ギリシャ神話から語るオフィスデザイン

「意味」のある「記憶」の物語が、共同体を形成する。ギリシャ神話から語るオフィスデザイン

—— オフィスの中に独自の文化やメッセージを込めるにあたり、特に意識されていることはありますか。

石橋さん:まず第一に経営陣が考えている中長期の戦略やビジョンを把握することが大事です。次に、目指す世界観やミッション・ビジョン・バリューを体現する場所を創るために、一貫性のあるデザインを考えること。そして、過去・現在・未来を繋ぐ企業のストーリーも考慮する必要があります。

20代の頃に美学について書籍などで調べていた際に、ギリシャ神話で語られる美の女神「ミューズ」は、記憶の女神(ムネーモシュネー)と天空神ゼウスの間に生まれたという話を知りました。つまり、美(芸術)は「記憶」をもとに生まれているということです。この考え方に関心を抱くと共に、ブランディングにおいても関連すると思いました。なぜならブランドは時間と共に培われた有形無形の価値を含む経営資産であり、時間軸を伴うものだからです。そのため、「意味と記憶」そして「物語」を大切にしながらこれまでブランドを構築してきました。

—— オフィスにもその考え方は反映されていますか?

石橋さん:例えば、現在のオフィスにある全長5メートルの段違いのロングテーブルは、創業期のレジデンスマンション時代から使っていた家具を持ってきたものです。移転先のオフィスビルの搬入エレベーターに入らないサイズだったため、工場に運んで半分に切断し、連結できるように加工してから搬入しました。

全長5メートルの段違いのロングテーブル

そこまで手間をかけたのは、そのロングテーブルには企業の「記憶」を語るストーリーが含まれているからです。Facebook Japan様やインキュベイトファンド様が歴代入居されてきたレジデンスマンションに居抜きで私たちが入居させていただく際に継承したものであり、創業期のエピソードとともに企業の歴史としてこれからも語り継いでいきたいと考えました。物を大切に使い続けるという当たり前のことの実践でもありますが、修理をしたり、補強をしたりして長く愛用されている家具や什器が社内にいくつかあります。

過去に開催したイベントの記念品なども保管しているものがありますが、当時の実物が存在することで、当時は在籍していない社員にも企業の歴史について実感を伴う物語として伝えることができます。そのような「意味」のある「記憶」が共有されることは、人が「個」ではなく「共同体」として、同じミッションやビジョンに向かうためには大切なことではないかと考えています。私はオフィスの施工が始まると現場にもよく出向き、一つひとつ手作業でモノづくりをしてくださる職人さんや家具を組み立ててくださる方の様子などもエピソードと合わせて社内に共有しています。柱一つ、家具一つについてもそれらにまつわる語れる物語があることが、場の「意味」を形成することにもつながっています。

事業成長に注力するスタートアップにとってのマインドコストと、セットアップオフィスの価値

事業成長に注力するスタートアップにとってのマインドコストと、セットアップオフィスの価値

—— スタートアップ企業がオフィス環境を構築する際、どのようなリスクやコストがあるとお考えですか。

石橋さん:オフィス移転は規模にもよりますが、本当に大変なプロジェクトです。経営者も総務も、コーポレートチーム全体が巻き込まれることもありますし、立地や広さ、内装デザイン、オフィス契約の方法など無限にも思える選択肢がある中で意思決定をしなければなりません。並行して、既存オフィスの原状回復工事や退去の手続きも重なってきます。また、少し条件を変えるだけで費用が大きく動くこともあるため、その不確実性のマネジメントには多大な「マインドコスト(思考のリソース)」が奪われます。

そこで私が大切にしている判断軸が、現在のオフィスが長期的に利用する計画だったこともありますが、経営の目線に加えて「5年、10年先の姿を見据えること」です。目先の「今の人数が入るか」「今の予算に収まるか」という点だけに囚われると、事業が急成長した際にすぐに手狭になったり、逆に働き方の変化に対応できず形骸化した空間になったりと、結果的に大きな損失を招きかねません。

例えば、今回の麻布台ヒルズへのオフィス移転では、執務エリアは仕切らずに什器類は移動可能な製品を採用し、床コンセントも大半を埋め込み式にして将来的なレイアウト変更にも対応可能なようにしています。また、一番大きな会議室はゆとりのある設計にしてあり、壁際にも人が座れるようにソファを設置しました。これは後々に、複数社の大企業やスタートアップの経営者や行政の要人など招いた会議や共創事業などが行われるようなシーンを想定したからです。

当時はそこまでの想定はしていない社員もいたと思いますが、先々を見据えて設計したことで、実際に従来とはまた異なった分野の方々との出会いや機会が、その会議室から生まれています。

――現場の社員からの要望との折り合いは、どのように考えていますか。

石橋さん:社員はどうしても「今、目の前にある課題」の解決をオフィスに求めます。もちろん各部門ごとにヒアリング内容をまとめて優先順位を決めて必要なものは取り入れますが、個別の要望に全て応えていこうとすると、必要以上に費用がかかるだけでなく、全体としての快適性を損なう可能性があります。移転後にオフィスを運用してみてから、検討すればよいものもあるでしょう。

大切なのは、未来のビジョンから逆算し、何のためのオフィスであるかを定義した上で、事業に資する必要な投資に重点を置くことです。オフィス移転プロジェクトの責任者が長期的な視点を持ち、プロジェクトに関わる社内外のメンバーをディレクションしていくことが、結果としてオフィス移転の投資対効果を最大化させる方向へ導くと考えています。

初期投資を抑え、即戦力のオフィスを。賢いオフィス選びがスタートアップ経営を支える
Photo : Koji Fujii (TOREAL)

初期投資を抑え、即戦力のオフィスを。賢いオフィス選びがスタートアップ経営を支える

—— スタートアップが、内装や家具が予め整っている「セットアップオフィス」を選択することに対して、どのように考えていますか。

石橋さん:やはり「非常に便利」という点に尽きます。契約して入居すれば、すぐに仕事ができるスピード感は、スタートアップにとって魅力的な価値です。また、近年のセットアップオフィスは外資系コワーキングスペースの日本上陸以降、空間デザインの質が格段に向上していると感じています。一昔前のような「貸し会議室に受付がついただけ」という簡素なイメージとは全く異なります。適正サイズでタイムリーに借りられ、最初から整った環境で仲間を招き入れることができる点は、採用面においても重要であると思います。

また、経営状況に合わせて「賢く借りる」ことができる点も魅力でしょう。例えば、最初は数名の部屋からスタートし、組織の成長に合わせてより大きな部屋へ移転していく。そうして自分たちの居場所が物理的に大きくなっていく過程は、社員にとっては成長の実感が得られることにもなります。私たちもこれまでにセットアップオフィスを活用したことがありますし、グループ会社でも現在、社員数の増加に合わせながらセットアップオフィスを利用しています。

オフィスは「ワークプレイス」だけでなく、人生を共にする「リビングプレイス」でもある
Photo : Koji Fujii (TOREAL)

オフィスは「ワークプレイス」だけでなく、人生を共にする「リビングプレイス」でもある

—— オフィス選びやパートナー選定についてアドバイスをお願いします。

石橋さん:オフィスは企業の意志や文化を醸成する重要な場です。アドバイスがあるとすれば、良い外部パートナーと組み、立地や移転先のオフィス選定や移転後の素材や家具の一つひとつまで、自社のブランドや事業の将来、そして共に働く社員のために吟味することをお勧めします。予算が潤沢でなくても、メーカーやショールームなどにも足を運んで知見を深めたり、アイデアのヒントをいただきながら、こだわりを持ってオフィスを選べば、限られた予算内でも機能や品質を落とさずに良い空間を創ることは充分可能です。

私は、人が人生の多くを費やすことになるオフィス空間は、単なる作業場としての「ワークプレイス」である以上に、組織として共同体としてだけでなく、一人ひとりの自己実現や社会との関わりにおいても重要な場でありコミュニティでもあると考えています。そのため、Living(生きること)と地続きの場である「リビングプレイス」として考えることが大切だと考えています。

ただ仕事をするだけなら、場所はどこでも構いません。しかし、人生を賭けて挑戦するスタートアップの経営者と一緒になって実現したい世界を創るためにそれぞれの人の貴重な時間を割いて働く社員にとっては、オフィスは人生の生活舞台の一部としての側面もあります。オフィスが単なる場所から「居場所」となり、そこで生まれた縁が「絆」へと深まるような空間づくりや文化づくりを目指すのが良いのではないかと思います。

何よりも、一緒に働いてくれる人たちのことを思い、共に目指す世界の実現のために切磋琢磨する過程で、仲間とかけがえのない経験を共有し、人生の一部となるような場を創ること。それが結果として、人が前向きに挑戦し続けられ、企業の成長や社会を変えていく原動力へとつながっていくのではないでしょうか。

―― ありがとうございました。

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