2016年12月のさと、うま 一倉定の経営心得@一倉定

2016年12月のさと、うま@一倉定の経営心得 (405x640)一倉定氏は日本における「経営コンサルタント」の創設者とも言われています。

激しくも的確な講演と、すべては社長の責任という、強い方向性が特徴的イメージでしょうか。

この本との出会いは「新世代CEOの本棚」という書籍の中で
ミクシィ前社長の朝倉祐介氏が推薦されていたのがきっかけです。
「新世代CEOの本棚」はこちらからそうぞ↓
2016年4月のさと、うま
新世代CEOの本棚@堀江貴文、森川亮、朝倉祐介、佐藤航陽 他 | サンブログ
https://search.sunfrt.co.jp/blog/staff/yby/p5976/

本書は全10巻セット全集からの抜粋されたものです。
とはいえ、ひとつひとつのページにある言葉は簡潔で分かりやすく、読み応えがあります。
一冊3,300円(税抜)ですが、納得です。2つ抜粋させていただきます。


8ページ「事業の成果はお客様から得られる」

・・・合理化、能率、品質というようなものは、それは結構なことではあるが、それは内部管理の優秀さの実証であっても、必ずしも優秀起業の実証であるとは限らない。商品の収益性が低かったり、販売力が弱くては、優れた業績は期待できない。企業存続に必要な収益を手に入れることによってのみ会社は生き続けることができるのである。・・・収益は、ただ一生懸命努力することによって得られるのではなくて、商品が売れることによってのみ手に入れることができるのである。収益は会社の内部にはない。内部にあるのは費用だけである。収益は外部にあるのだ。つまりお客様のところにあるのだ。それはお客様の要求を満たすことによってのみ手に入れることができるのであって、他のいかなる手段によっても手に入れることは不可能なのである・・・


46ページ「優柔不断は誤った決定よりなお悪い」

決定で大切なのはタイミングである。客観情勢は容赦なく変わっていく。グズグズしていると時機を失ってしまう。決定は巧遅より拙速の方が大切な場合が多いのだ・・・たとえ決定が間違っていたとしても、決定しないよりは優れている。早く動き出せば、間違いを早く発見でき、それを訂正する時間が残る。いかに優れた決定でも、土壇場になってからでは、それを実現する時間がないのだ。
躊躇逡巡(ちゅうちょしゅんじゅん)こそ社長の大敵である。逡巡して何も決められない社長は会社を
つぶす・・・決定に伴う危険や部下の不満を考えてイタズラに迷っていたら会社をおかしくしてしまうのだ。


この一冊だけで、一倉定氏を述べることはできませんが、
一言でまとめれば「強い」と感じました。
責任はすべて社長。
ワンマン社長でなければならない。
社員は社長(会社)を信じて入社してきているのだから、
働く環境を整えてあげないといけない。
言葉は強いですが、その通りだとも思いました。

例えば、「この事業はいける!」と見つけたビジネスチャンス。
必死に提案資料をつくり、プレゼンを積み重ね、ようやく事業化していただいた。。。
そのような方も多いと思います。
しかし組織であれば、上長に相談し、役員に認識してもらい、
代表の承認を得ないといけません。

組織とはリスク管理が必要ですから当たり前のプロセスです。
一方その場合、「私」のたぎらせていた熱い魂はどのようになるでしょう。
私も経験ありますが、そのようにプロセスがいくつもあると、時間も経過し、
いつのまにか「オレが」「私が」といった感覚が薄れます。
「絶対私が成功させる!」から「うまく社内を通さないと」になっていました・・・

そうではないことを本書からも学びました。
やるからにはお客様満足を求め、高い収益をあげ、会社を存続させなければいけない。
そのためには、より多くの社員を守るべく代表と意識を同一にし、感覚をより高め、より強い熱意でチャレンジしなければなりません。

なにか吹っ切れたといいますか、パワーをもらった本書です。おすすめします!

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タイトル:一倉定の経営心得
著  者:一倉定(いちくらさだむ)
発  行:1999年6月14日
発行所 :日本経営合理化協会出版局

■参考サイト
アドラー主義はブラック企業を超えた 一倉定とは何だったのか?:日経ビジネスオンライン
未来調達研究所株式会社取締役:坂口孝則氏
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140811/269896/?P=1

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