会社といえば、社内に「社長室」が存在しているのが一般的な認識でしょうが、風通しのよいオープンなオフィス空間が注目されている昨今、社長専用の個室を設けていないオフィスも珍しくありません。
その一方で、従来のタイプの社長室を設置することの重要性も見直されています。
今回は、オフィスにおける社長室の存在意義と価値について解説します。
社長室を設置することのメリット
オフィスに社長室を設けるメリットには、以下が挙げられます。
情報漏洩のリスクが低下する
社長室という区切られた空間があれば、外部に漏れてはいけない重要な会話や書類が流出するリスクを減らせます。
機密情報やセキュリティー管理の重要性が叫ばれる中、社長室の存在があらためて見直されている要因にもなっています。
社員との適度な距離感を保てる
社長と社員のワークスペースをしっかりと分けることで、双方の仕事にメリハリを出すことができます。社長は社長業に集中できる一方、社員は社長の目を気にすることなく伸び伸びと仕事に取り組めるでしょう。
会社のイメージアップやブランディングにつながる
社長室は「企業の顔」としてアピールできる場所でもあります。高級家具をそろえて重厚感のある雰囲気にしたり、社風を反映させた内装にすることで、会社の経営状態やブランドイメージに対してポジティブな印象を与えることができるでしょう。
社長室がある場合のデメリット
反対に、社長室を設けることによるマイナス面としては、以下が考えられるでしょう。
社内の様子が把握しづらい
社員と適度な距離感が保てる分、気軽にコミュニケーションを取るのは難しくなります。
社長室が閉鎖的な空間であればあるほど、現場で起きているトラブルや社員が置かれている状況などが把握しづらくなります。
コストがかかる
社長室の設置には、当然、コストがかかります。
まず、社長室のスペースが取れる間取りのオフィスにする必要があります。
特別なレイアウトにこだわった内装工事をしたり、社長室用に豪華な家具や装飾品を購入したりすれば、コスト面での負担はよりかさんでいくでしょう。
コンセプトのある「社長室」づくりを
社長がリーダーシップを取って業務を遂行しているような会社の場合は、社長と社員が同じ空間で働いたほうが効率的です。
一方、ある程度の規模に成長している会社の場合は、社長室は独立しているほうが双方の業務がスムーズに進みやすくなります。
コンセプトのないまま社長室を設けたり、コストカットのために社長室をなくしたりするのではなく、社内の形態や社風を見極めたうえで、会社の発展につながる社長室の形を導入するのが理想的といえるでしょう。