近年、新型コロナウイルスの感染症対策によって、遠隔でも対応可能な勤務体制が強化されました。
アフターコロナとなってからはテレワーク(リモートワーク)の割合も減少傾向にありますが、複数拠点との会議が同時に行える「テレカン」は、ポピュラーな会議スタイルの一つとして定着しているようです。
今回は、テレカンの定義や特徴、導入する際のポイントなどについて解説します。
テレカンの定義とは
テレカンは「テレカンファレンス(teleconference)」の略語です。
遠隔を意味する接頭辞の「テレ(tele)」と、会議を意味する「カンファレンス(conference)」が組み合わさった単語で、日本語の直訳は「遠隔会議」。
遠隔会議という言葉にはさまざまな方式のものが含まれるため、違いがよく分からないまま使用しているという人も多いのではないでしょうか。
リモート会議と呼ばれることもあり、どちらも離れた場所にいる複数人が通信手段を用いて会議を行うことを意味しています。
テレカンという言葉が使われ始めた当初は、電話による「テレフォンカンファレンス(telephone conference)」が主流でした。
近年ではインターネット回線を用いたWEB会議のバリエーションが広がり、テレカンという言葉自体、実務上ではあまり使われなくなったともいわれています。
種類の違いによるメリット・デメリット
テレカンの種類は、大きく分けると「電話会議、テレビ会議、WEB会議」の3つです。
電話会議システム
電話回線を用いるため通信環境が良く、海外拠点につなぐ場合も音質が安定しています。初期費用がかからず導入しやすく、年代や世代に関わらず、誰もがなじみやすいのがメリットです。
画面や資料を共有できない、音声のみなので相手の表情や場の雰囲気が分からない、接続する拠点数が増えるほど通話料金がかかるといったデメリットがあります。
テレビ会議システム
専用回線を利用するため映像が途切れづらく、音声も聞き取りやすいといったメリットがあります。大画面のモニターを使えば臨場感のあるやりとりが実現でき、大人数が参加する会議にも対応できます。
専用端末が設置された場所での利用に限られるため、柔軟性に欠ける、導入の手間がかかる、導入費用がかかるといったマイナス面も。
WEB会議システム
インターネット環境があればどこからでも利用できます。お互いの顔を見ながら会話ができ、ペーパーレスで資料が共有できます。多様な働き方に対応できるので、自宅やコワーキングスペースなどから参加する会議スタイルを確立させました。
利用者の接続状況や回線品質が影響するため、画質や音質の低下、フリーズや通信切断といったトラブルが起こりがちです。
違いや特徴を見極めて適切な導入を
利便性が高く、遠隔地にいる相手とも気軽に会議が行えるテレカンですが、適切に活用させるにはメリット・デメリットをしっかりと理解したうえで選択する必要があります。
また、実際に顔を合わせて話す会議とはコミュニケーションの仕方が異なるため、やり取りがスムーズに行えずにストレスを感じることも少なくありません。
従来の対話式形式の会議は同じ場所を共有していないと行えませんが、直接会って話すことで相手の表情や心情がしっかりと読み取れます。
状況に応じて会議のタイプを使い分けて、働きやすさと生産性を向上させましょう。