定時に出勤して働くことが前提の会社は、オフィスの移転が退職のきっかけになることも少なくありません。
コロナ禍の影響でリモートワークの導入が進み、働き方に対する意識も変わってきましたが、出社が必要とされる会社や業種が多いのは現状です。
オフィス移転を退職のきっかけにしないためのポイントをご紹介します。
従業員の通勤を考慮する
オフィスの移転によって最寄り駅や路線が変われば、当然、通勤経路や時間も変わります。
オフィスが自宅に近くなるならまだしも、逆の場合は従業員が退職を考えるきっかけになる可能性があります。
従業員にはそれぞれの生活があり、通勤にかけられる時間や希望する経路が異なります。
長時間の通勤は肉体的な負担が大きいだけでなく、プライベートな時間が取りにくいことが精神的な負担にもなりやすく、長く働き続けるには難しくなりがちです。
特に育児や介護を担っている従業員にとっては時間的な制限が大きいので、通勤経路は保育園や病院により早く楽に行きやすいことを重視していることが多いでしょう。
大勢が働くオフィスだとなかなか難しいですが、通勤の負担が減る従業員ができるかぎり多くなるような移転場所を選べるのがベストでしょう。
利便性の高い場所を選ぶ
オフィスの移転は会社の利益を含めて、さまざまな目的をもっておこなわれます。
そのため従業員の希望を第一にすることはできないかもしれません。
ただし従業員の通勤という面で考えると、アクセスの良い場所というのは大変大きなメリットです。
また周囲に買い物や食事がしやすい店が多い、銀行や郵便局など業務に関わる公共機関があるというのも働きやすい環境といえるでしょう。
移転先にこのような利便性の高い場所を選ぶことは、移転にかかわる従業員の負担を軽減させることにもなりますし、もし新たに採用活動を行う場合には会社のアピールポイントにもなります。
柔軟な働き方を強化する
移転の目的によってはアクセスが不便なエリアや都心から離れた場所を、あえて移転先として選択する場合もあるでしょう。
その通勤が従業員の退職のきっかけになりかねないのなら、移転を機に従来の働き方を見直して、新たな働き方を構築することを考えてみるのも一案です。
遠距離通勤用のサテライトオフィスを用意したり、業務内容によってはリモートワークやテレワークが取り入れられるかを検討してみてはいかがでしょう。
また短時間勤務やフレックスタイムなど、時代に合った柔軟な働き方を取り入れていく姿勢を取ることも大切ではないでしょうか。