【オフィス環境改善チェックリスト】モチベーションを高める「働きやすいオフィス」の作り方
目次
オフィス環境は、従業員の集中力やモチベーションを左右し、生産性を通じて業績にも影響を与える要素の一つです。実際に、事業の成長について議論を重ねるなかで、オフィス環境の改善が議題に上がっている企業様もあるのではないでしょうか。一方で、いざ見直すとなると「どこをどう直せばよいのか分からない」と頭を悩ませている経営者・ご担当者も多いでしょう。
本記事では、自社のオフィス環境を見直したいとお考えの企業様に向けて、オフィス環境の課題を洗い出す13項目のチェックリストをまとめました。各課題に対応する改善方法もあわせて解説しますので、ぜひオフィス環境の改善にお役立てください。
目次
オフィス環境の重要性
そもそもオフィス環境は、従業員や会社にどのような影響を与えるのでしょうか。ここでは、オフィス環境の改善が求められる背景を、「業務効率・モチベーション」「コミュニケーション」「企業イメージ・採用」の3つの観点から解説します。
業務効率・モチベーションに直結する
オフィス環境は、従業員の業務効率とモチベーションを左右する重要な要素です。自社の業務に適した快適な環境が整っていれば仕事への意欲が高まる一方、劣悪な環境はストレスの原因となり、業務効率の低下だけでなく心身の不調につながるケースもあります。
実際に、一般社団法人日本オフィス家具協会(JOIFA)の調査では、71.4%の従業員が「オフィス環境の良し悪しは仕事に対するモチベーションに影響する」と回答し、64.8%が「仕事の成果をあげることに影響する」と答えています。
こうした結果を踏まえると、従業員が快適に働ける環境を整えることは、経営者の重要な役割の一つと言えるでしょう。
従業員のコミュニケーションに直結する
オフィス環境は、従業員同士のコミュニケーションの取りやすさにも直結します。気軽に会話や打ち合わせができる環境が整っていれば従業員同士の交流が盛んになり、自社への帰属意識が高まることで、長期的には離職率の低下にもつながるでしょう。
また、部署を越えた交流が増えることで、新しいアイデアが生まれやすくなる効果も期待できます。人材の定着に課題を感じている企業様にとっては、気軽に話せるミーティングスペースや休憩スペースの見直しが有効な打ち手になり得るでしょう。
企業イメージ・採用に直結する
オフィス環境は、求職者や取引先から見た企業イメージにも直結します。実際に、マサチューセッツ大学ローウェル校の研究チームが2025年に発表した研究論文では、求人情報に掲載するオフィスの写真に植物や自然光、自然素材といった要素が含まれているだけで、求職者が企業に感じる魅力が高まり、受け入れられる給与水準も下がる傾向が確認されています。この効果は大がかりな投資を伴わない、植物や照明を取り入れる程度の控えめな工夫でも得られると報告されています。
こういった研究結果を踏まえても、給与面で大手企業と競いにくいスタートアップ・ベンチャー企業にとっては、オフィス環境が給与以外の魅力として採用の武器になり得ると言えるでしょう。
なお、従業員の増加や業務の拡大など、さまざまな要因によって自社に適したオフィス環境は変わっていきます。必要な対策を行わずにいると課題が積み上がり、徐々に改善が難しくなるため、会社の変化に合わせて定期的に見直すことが大切です。
オフィス環境改善チェックリスト
オフィス環境の改善を図るには、まず現状の良し悪しを正しく把握することが欠かせません。以下の13項目を使って、自社のオフィスを客観的に評価してみましょう。表の「影響する領域」は前章で解説した3つの観点を、「対応する改善方法」は後述する「働きやすいオフィスの作り方13の方法」の番号を示していますので、自社に当てはまるものを確認してください。
| チェック項目 | 影響する領域 | 対応する改善方法 |
|---|---|---|
| 1. ケーブル類が床に剥き出しになっている | 業務効率 | 方法1 |
| 2. すべてのミーティングスペースが要予約 | 業務効率・コミュニケーション | 方法6 |
| 3. 業務に適したレイアウトではない | 業務効率・コミュニケーション | 方法3・7・9 |
| 4. 休憩室がない | コミュニケーション | 方法8 |
| 5. 日当たりが悪く暗い | 業務効率・企業イメージ | 方法4・5 |
| 6. オフィスが狭い | 業務効率 | 方法5・13 |
| 7. オフィスが静かすぎる | コミュニケーション | 方法10 |
| 8. 騒音対策がされていない | 業務効率・コミュニケーション | 方法7・10 |
| 9. オフィス内が寒い、または暑い | 業務効率 | 方法12・13 |
| 10. オフィスやトイレが汚い | 業務効率・企業イメージ | 方法12 |
| 11. デザインが自社に適していない | 企業イメージ | 方法11・12・13 |
| 12. 駅からオフィスまでの距離が遠い | 業務効率 | 方法13 |
| 13. デスクや椅子が使いづらい・疲れやすい | 業務効率 | 方法2 |
該当する項目が複数ある場合は、影響する領域が2つ以上重なる項目から優先的に着手するのがおすすめです。1つの改善で複数の効果が見込めるため、限られた予算や時間でも成果を実感しやすくなります。
オフィス環境改善を進める2つのポイント
チェックリストで課題を洗い出せたら、対策を決める前に、改善の効果を高める2つのポイントを押さえておきましょう。
従業員の声を反映する
オフィス環境の改善で最も重要なのは、実際にそこで働く従業員の声を改善案に反映することです。オフィス改善の目的はあくまで従業員のモチベーション向上や業務効率化にあるため、現場の実感と離れた対策では効果が出にくくなります。
具体的には、現在のオフィスで使いづらいと感じている点や、改善したほうがよいと思うポイントをヒアリングし、チェックリストの結果と突き合わせてみましょう。経営者やご担当者の目には課題に映らなかった項目でも、現場では日々のストレスになっているケースがあります。
また、自分の意見が反映されたという実感は、従業員の帰属意識を高めることにもつながります。ヒアリングは課題を正確に把握する手段であると同時に、それ自体が従業員のモチベーションを高める取り組みになると言えるでしょう。
他社のオフィス環境を参考にする
改善の方向性を具体化する際は、自社と同規模の企業のオフィス環境を参考にするのがおすすめです。規模の近い企業の事例であれば、限られたスペースを有効活用するアイデアなど、自社にもそのまま応用しやすいヒントが見つかりやすくなります。
近年はオフィス環境への関心の高まりから、自社のオフィスレイアウトを公開する企業が増え、さまざまな企業のオフィスを紹介しているWebサイトも充実しています。多種多様な事例を比較しながら、チェックリストで該当した課題を他社がどのように解決しているかという視点で見ていくと、自社に合う対策を絞り込みやすくなります。
モチベーションを高める「働きやすいオフィス」の作り方13の方法
自社の課題と現場の声を把握できたら、いよいよ具体的な改善に取りかかりましょう。ここでは、オフィス環境の改善に効果的な13の方法をご紹介しますので、チェックリストで該当した項目に対応する方法から優先的に確認してみてください。
1.配線はデスクやマットの下に
床に剥き出しになっている配線は、デスクの下や配線マットの下に収めて隠すのが基本です。足元のケーブルがなくなることでオフィス内を移動しやすくなり、業務効率の向上につながります。
また、配線が見えないだけでオフィス全体が洗練された印象になるため、従業員のモチベーションや採用力の強化にも効果が期待できます。大がかりな工事を必要とせず、すぐに着手できる改善方法と言えるでしょう。
2.デスクや椅子を買い換える
デスクや椅子が使いづらい、疲れやすいと感じる場合は、思い切って買い換えることが有効な改善策になります。コスト節約のために安価なもので揃えてしまうと、長時間座って作業する従業員の疲労が蓄積しやすく、かえって生産性の低下を招くケースが多いためです。
オフィス家具は毎日使い続けるものなので、予算の許す範囲でできるだけ品質のよいものを選びましょう。デザインにもこだわると、オフィス全体の印象を変える効果も期待できます。
購入時の出費は負担に感じられるかもしれませんが、見方を変えれば、従業員の健康と生産性に対する継続的な投資と捉えることができます。
3.動線を考えたレイアウトに変更する
業務に適したレイアウトかどうかを見直す際は、従業員の動線を軸に家具の配置を考えることが大切です。オフィス内を移動する際の動線が考慮されていないと、移動のたびに小さなストレスが積み重なり、生産性の低下につながります。
具体的には、部署ごとに動線を分けたり、出入り口や複合機、トイレの近くなど往来の多い通路は幅を広くとったりする工夫が効果的です。また、一つの目的地に対して二つの動線を用意しておくと、作業などで片方がふさがれても業務が滞りません。
一度家具を配置するとレイアウトの変更は難しくなるため、きちんとプランを立ててから着手しましょう。
4.場所に適した照明に変更する
日当たりが悪く暗いと感じるオフィスでは、スペースの用途に合わせて照明の種類を使い分けると、居心地のよさが大きく変わります。特に執務スペースやミーティングルームは作業の質に直結するため、十分な明るさを確保できる照明を設置しておきましょう。一般的なオフィスであれば、広範囲を照らせるLEDシーリングライトがおすすめです。
また、照明の色にもこだわるとさらに効果的です。神奈川工科大学の研究では、シアン色の照明が集中力を高めることが明らかになっています。反対に休憩室などは暖色系のライトにすると、リラックスできる雰囲気を演出できます。
5.明るさと開放感を意識する
狭く暗いオフィスで働き続けていると、気分が沈みモチベーションが低下しやすくなります。物理的に面積を広げることは難しくても、レイアウトや家具の工夫次第で、明るさと開放感のあるオフィスを実現することは可能です。
たとえば、窓際に物を置いていたり、大型のキャビネットを配置していたりする場合は改善の余地があります。窓からの自然光を遮らないように配置を見直したり、オフィス家具を背の低いものに変更したりすると、同じ面積でも視界が開けて広く感じられます。
実際に、日本オフィス家具協会の調査では、半数以上の従業員が個人スペースの広さを重視し、生産性や業務効率にも直結すると回答しています。増床や移転を検討する前に、まずは今あるスペースを圧迫している要因を取り除くことから始めてみましょう。
6.予約不要のミーティングスペースを用意する
すべてのミーティングスペースが要予約になっている場合は、予約不要ですぐに使えるミーティングスペースを用意するのがおすすめです。
予約の手間があるだけで、ちょっとした相談や打ち合わせのハードルが上がってしまうものです。そういった場合、カフェやレストランにあるボックス席のようなスペースがあれば、執務スペースの一角にも設置しやすく、従業員同士のコミュニケーションも活発になります。
実際に、先進的な働き方で知られるGoogleのオフィスでも、あらゆる場所に小規模な打ち合わせスペースが設けられ、カフェのような空間が広がっています。わざわざ予約をしなくても使えるスペースがあるだけで、社内の情報共有のスピードは大きく変わるはずです。
7.個人作業スペースを取り入れる
エンジニアなど黙々と作業する職種が多い部署には、個人作業に没頭できる専用スペースを設けるのがおすすめです。両サイドをパーティションで区切った自分専用のブースのような環境があれば、周囲に気を使うことなく作業に集中できます。
また、オンライン会議が増えた近年では、会議の声が周囲の従業員の集中を妨げる要因にもなっています。執務・会議・個人作業など、用途ごとにスペースを分けることで、すべての従業員が業務に取り組みやすい環境を実現しやすくなります。少人数や個人でオンライン会議に使えるテレカンブースや個室を設けるのも効果的な方法の一つと言えるでしょう。
8.リフレッシュスペースを設置する
休憩室がなく自席で休憩を取らざるを得ない環境では、気持ちの切り替えがしにくく、疲れが残ったまま午後の業務に入ることになりがちです。もしそういった環境になっている場合には、ランチや休憩時に自席を離れてリラックスできるリフレッシュスペースを設置することをおすすめします。
多くの企業では、リフレッシュスペースに自動販売機や売店のコーナーを併設し、従業員同士の憩いの場として活用しています。部署を越えて顔を合わせる機会が増えることでコミュニケーションが活性化し、企業への愛着も高まりやすくなります。気軽な雑談から新たな事業のアイデアが生まれることもあるでしょう。
9.フリーアドレス制を導入する
営業やディレクター職など、社内外の多くの関係者と関わる職種が多い場合は、固定席を設けず自由に座席を選べるフリーアドレス制の導入を検討してみましょう。自分専用の決まった席がないため、部署を問わずさまざまな人と交流しやすくなり、横のつながりも生まれやすくなります。
一方で、常にオフィス内で業務を行うバックオフィス部門は、従来の固定席レイアウトのほうが連携を取りやすいケースもあります。全社一律で導入するのではなく、部署の特性や職種を見極めたうえで、生産性がどう変わるかを確認しながら進めることが大切です。
10.オフィスBGMを導入する
静かすぎるオフィス環境の場合、従業員同士が話しかけづらく、コミュニケーションが停滞するといったことも考えられます。また、適度に周囲の音があったほうが仕事に集中しやすいという従業員も少なくありません。
もし自社のオフィスがそのような状態であれば、オフィスBGMの導入を検討してみましょう。適度なBGMは、周囲の雑音をマスキングし、従業員が会話の内容を気にせずに集中できる環境を作る効果も期待できます。
一方で、BGMが騒がしすぎると、逆に集中力が削がれてしまうことにもなりかねません。BGMの音量や種類は、スペースの用途に合わせて調整しましょう。
11.植物を取り入れる
殺風景な印象のオフィスには、観葉植物や花などのグリーンを取り入れるのも手軽な改善方法です。植物には癒しや安らぎをもたらす効果が期待でき、無機質になりがちなオフィス空間の印象をやわらげてくれます。
特に観葉植物はこまめな手入れを必要としないものが多く、少人数で運営している企業様でも負担なく続けられます。まずは執務スペースの一角やリフレッシュスペースに置いてみるところから始めてみるとよいでしょう。
12.リノベーションを行う
オフィス全体の老朽化や汚れ、自社に合わないデザインなど、部分的な改善では解決しにくい課題が多い場合は、オフィスのリノベーションを検討するのも一つの方法です。壁紙やカーペットを新調するだけでも清潔感や印象は大きく変わり、従業員のモチベーションはもちろん、来訪した取引先や求職者が抱く企業イメージの向上にもつながります。
また、ミーティングスペースやリフレッシュスペースの新設、空調まわりの見直しなど、家具の配置換えでは対応できない課題にも手を打てることが、リノベーションの強みです。特に企業のフェーズが変わり、組織や働き方が大きく変わってきているタイミングでは、こういった環境を大きく変える対策が有効に働くケースも考えられます。
ただし、工事の規模によっては相応の費用と期間がかかるため、解決したい課題の優先順位を整理したうえで、どこまで手を入れるかを決めましょう。
関連記事:オフィスをリノベーションする流れ|費用相場や期間、注意点も解説
13.オフィス移転を行う
従業員数に対してオフィスが狭い、駅から遠いといった課題は、レイアウト変更やリノベーションでは解決できません。こうした物件そのものに起因する課題を抱えている場合や、環境を抜本的に見直したい場合は、オフィス移転が最も確実な選択肢になります。これまで解決できなかった複数の課題を一度に解消できる点は、移転ならではのメリットです。
一方で、移転には物件探しから内装工事、引っ越しまで多くの費用と時間がかかります。チェックリストで該当した項目が多く、個別の対策を積み重ねても解決の見通しが立たない場合は、投資に見合う効果が得られるかという視点で移転を検討してみましょう。
オフィス環境の見直しはサンフロンティア不動産にご相談ください
本記事では、オフィス環境が企業や従業員に与える影響と、その改善方法について、チェックリスト形式で解説してきました。
オフィス環境に求められる姿は時代や会社の成長とともに変化するため、定期的にこれらの項目を確認し、改善を重ねていくことが大切だとご理解いただけたかと思います。
一方で、該当する課題項目が多い場合や、狭さ・立地といった物件そのものに起因する課題がある場合は、部分的な改善だけでは限界があるのも事実です。そのような場合は、オフィスの移転を検討するのも一つの解決策となるでしょう。
もし、オフィス環境の課題解決や移転先の物件探しでお困りごとがございましたら、ぜひ一度オフィス不動産のプロであるサンフロンティア不動産にご相談ください。弊社が提供する『Officci』には、快適で機能的なオフィス環境が整った物件を多数掲載しています。豊富な経験と実績を通じて培った知見をもって、貴社の理想的なオフィス環境づくりを強力にバックアップいたします。
記事監修者
菅野 勇人
宅地建物取引士
セットアップオフィスから一般的なオフィスまで、多種多様なオフィスビルの魅力や特徴を熟知したオフィス物件マニア。
スタートアップ企業の移転支援経験が多く、そこで得た知見を活かし、お客様の理想のオフィス探しを全力でサポートいたします。